安達:一番マズいのは、「聞きに来なくてミスする人」です。「なんで聞きに来ないんだろう?」と不安になるような人。「怒られたくない」という気持ちを優先し、中途半端に仕事をする人のほうが、上司にとっては扱いにくいと思います。
――怒られたくない気持ちを優先し、聞きにこなくてミスする人……では、怒られまくっている人が仕事ができない人とはかぎらないわけですか。
安達:かぎらないと思います。むしろ、「いちいち聞いてくるなよ」と嫌な顔をされながらも、忙しい上司のスキマ時間をうまく使って、確認するべきことをしっかり確認してくる人は、むしろ「ちゃんとしてるな」という印象になるんじゃないでしょうか。
デキる人は「質問のタイミング」がうまい
――人間関係に摩擦が起きないようにする聞き方のコツはあるでしょうか?
安達:いちばんのコツは、リアルタイムで確認することです。言動に一貫性のない人ほど、自分に都合の悪いことを忘れ、あとから確認しても「俺、そんなこと言ったっけ?」と忘れられてしまったりするので、とにかく、「その場で」聞くこと。
かつて私の後輩にも、指示を受け取った瞬間に確認してくる人がいて。私は、「言った、言わない」にならないように、指示は必ず文章でするようにしていたのですが、その後輩は「安達さん、今メールいただいた件について、この部分がわからないのですが今お時間いいですか?」みたいに、すぐに確認してきていました。
「今から出るんだけど」と言っても、「5分だけでいいので、お願いします!」と。
――そのスタンス、大事ですね。
安達:だから、気になることがあれば、上司に嫌がられると思っても、その場で納得いくまで確認することが大事だと思います。
上司とうまくコミュニケーションがとれないとき、真面目な人ほど、「話し方」のテクニックにハマりがちです。でも実際には、「話し方」や「伝え方」だけを変えれば改善することは少なく、ほとんどの場合、「考えが足りていない」ことが根本的な原因なのです。
本には、頭のいい人たちの知見を身につけ、一気に「頭のいい人」になるように設計しました。人間関係に悩んでいる人や、上司と話すのが怖いという人にとって、何かヒントになれば幸いです。
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