さらに、消化器内科では、医者と患者の的確な情報交換には「ウンコー日誌」も大切な資料になる。

「連載第1回の『下痢編』でも詳しくお伝えしましたが、お腹やうんちのことで悩みがある方は、拙書の付録にあるような『ウンコー日誌』をぜひ、ご持参ください。ウンコー日誌は排便の記録です。手帳のメモ書きでも構いませんが、少なくとも1週間分は見せていただきたいです。

 意外と、排便の回数や便の状態をきちんと把握されていない患者さんは多いです。受診の際は、医者にできるだけ具体的に症状の重さや排便回数を伝えることも快復への重要なポイントになります」

 消化器内科医が欲しい腹痛&排便情報は次の5つ。

(1) 便の回数(その日、何回出たか)
(2) 便の状態(便秘・コロコロ便・普通便・下痢)
(3) 便の量(多・中・少)
(4) 痛みのレベル(10段階の自己評価)
(5) 思い当たる原因のメモ(夕飯に焼肉・大事なプレゼン前など)

医者に「うんち」の状況を
的確に伝えるスマホの利用法

 さらに、現代ならではの「見せてほしいもの」があると石黒医師は言う。

「それはスマホで撮った便の様子です。前回の記事で『血便をスルーしない!』ということを申し上げましたが、便の色も診断の重要な資料になります。例えば、『うんちが黒い』ということを心配した患者さんが受診された場合。医者サイドが想像する黒はコールタールのような黒なんですが、実際には『いつもより黒っぽいだけ』というのも、よくあるケース。