商談や面接、会議などで話している途中に、うっかりした発言で相手の機嫌を損ねてしまい、空気が悪くなってしまうことがあります。気が焦るあまり、しどろもどろになったり、黙りがちになったり……こんなとき、頭のいい人が使う、あるテクニックがあります。書籍『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』の著者が、その理論とコツを解説します。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)
商談や会議で失言!
フォローすればするほど相手の機嫌を損ねてしまったら
「あ〜、やっちまった……」
「失言だったかもなぁ……」
商談や会議で話している途中に、失言で相手の機嫌を損ねたり、意図せず場の空気を悪くしてしまったりしたことはありませんか? どうにかその場を取りつくろおうとするも、話せば話すほど上滑り。逆に泥沼化してしまうなんてことも……。
私自身も、以前、お客さんとの商談中に地雷を踏んでしまったことがあります。
私「御社は素晴らしい経営体制ですよね」
相手「いや、でもウチ、先月、役員の不正会計でニュースに取り上げられてしまったんですよね(苦笑)」
私「(やばい! フォローしなくちゃ!)それは、その役員さんのお仕事に対する姿勢に問題があっただけで、○○さんには関係のないことですよ」
相手「実は、その役員、昔、私がとてもお世話になった上司でして。ハハハ……」
相手の方の乾いた笑いでその話題は打ち切られたのですが、商談はヘンな空気のままで終わってしまいました。フォローのつもりが、さらなるしくじりにつながってしまった後は、「もう余計なことをしゃべるまい!」と思っていたせいか、本来したかった提案や交渉を行うことができませんでした。話の途中でペースを崩したことが響き、後ろめたさを抱えたまま、後味の悪さだけを残した商談となったのを今でも覚えています。
このようなとき、どうすれば良かったのでしょうか?「あ〜、やっちまった……」「失言だったかも」からの挽回の方法は、最後にお伝えします。