物置部屋を最初に作ることで
片づけで「迷う親の気持ち」を尊重できる

「捨てて減らす」の前に、「納得する」過程を設けましょう。「使う(必要)/使わない(不要)」の間にある「迷う・わからない」気持ちも尊重してあげてほしいのです。

「今すぐに実家を空っぽにしなくてはならない」という状況ではないなら、使っていない部屋を「迷うモノを受けとめる物置部屋」にするのがおすすめです。「迷うモノの中継基地=物置部屋」を作ることで、「親の納得感を丁寧に積み重ねていく片づけ」が可能になります。

 物置部屋を作るための3ステップはこのようなものです。

1)床に落ちているモノを回収する
 使われていない部屋はたいてい荒れています。床にモノが散乱しているなら、45Lのポリ袋に「洋服」「書類」「雑貨」などとメモして、該当するモノを入れていきましょう。ここで、捨てる・捨てないの判断はせず、粛々と袋に分けていきます。ポリ袋がいっぱいになったら邪魔にならないよう廊下に出します。

2)家具を部屋の端に寄せて、通り道を確保する
 大きな家具が部屋の入り口や真ん中など、おかしな位置に放置されていることがよくありますから、端に寄せます。掃除機がけ、水拭きまで済ませると部屋がスッキリして気持ちがいいですよ。

3)使う見込みのないモノを「同じ場所に集める」
 長年放置された部屋は、いろいろなモノがでたらめに突っ込まれて秩序のない状態になっています。以下のようなイメージでモノを分けてエリアを固めていきます。

・布団…敷き布団、掛け布団、カバー類すべてを押し入れの1カ所に集める
・衣類…「紳士物」「婦人物」くらいざっくり分けて、それぞれポリ袋にまとめる
・思い出のモノ…バラバラになっているモノは箱にまとめ、部屋の1カ所に積み上げる
・書類…同じ場所にあったモノは紙袋などにひとかたまりにした上で、部屋の1カ所に集める

 まず一部屋分のモノを分け終わったら、他の部屋にあるモノもこの部屋に集めていきます。広い部屋を物置化できるなら、真ん中に大きめのラックを置いて「島」を作ると収納効率が上がります。