いよいよディスカッションがスタート!
「新商品拡充」か、「新市場への進出」か
2チームに分かれて、いよいよディスカッションがスタート。取材をしたテーブルは、ファシリテーターの中島さんをはじめ男性陣5名に、女性の浜田さんの全部で6名。それぞれ自己紹介と本を読んだ感想を話したあと、まずこんな質問が飛んだ。
中島 今回のケースの選択肢は、「売却」か「新商品拡充」か「新市場に出ていく」か。みなさん、3つの立場のどれをとるのか、意見をいただければと思います。
小泉 2番目の新商品拡充ですね。顧客が定義されているし、数値目標もはっきりしている。ただ「昨日の市場」ではあるので、いつかは捨てていかないといけない。
浜田 ほんとは2番にしたかったんですが、(かぶるので)3番で(笑)。スティーブ・ジョブズの本の中に「顧客は欲しいものが提示されてはじめて、これが欲しかったと思う」というような言葉があって、新しい分野って開拓しやすい面もあるかなと。
春名 私も3番で。やっている会社がないということはメリットがある。デメリットとしては、手がけたことがない業態なので、一時的に売上げも下がるし、社員への徹底も難しい。一番いいのは、2番をやりつつ3番とも考えましたけど。
中島 いやなファシリテーターになると思いますが、議論のために。昔、土井画材センターという会社があって、Macが出たとき、「これ絵描けるやん」ということでPCを扱うようになったんです。まさに問屋の例と似てるでしょう。で、どうなったと思います?Macって、マクドナルドちゃいますよ(笑)。
小泉 口調からすると、あんまりよくない結果になったんですよね……。
春名 アップルストアでMacを直接売るようになって、つぶれちゃった。
中島 そう。当たり前の話ですが、新市場に踏み出しても必ず成功するわけではないんです。一方、カメヤマというローソクの会社。ローソクなんて完全に「昨日の市場」なのに、キャンドルを売ったり、新たな顧客を創造して、すごく儲かっている会社もある。
……と、こんな感じでディスカッションは進み、その後、問屋という業態のメリット・デメリットから、最後は書店や出版社のビジネスまで。問題を提起し、参加者にまんべんなく話を振りつつ議論をリード、さらに冗談を交えて盛り上げてくれた中島さんに、全員から拍手が送られ、ディスカッションは終了した。