20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

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農工大ブランドの威力は想像以上

 農学部では約6割が大学院へ進学する。就職先は、食品、化学、製紙などが多く、有名企業に入る人もそれなりにいる。

 ただし、学部卒だと営業などの一般職となり、研究など専門職に就くには院卒でないと厳しい。院生は研究室枠による就職もあるが、企業とのパイプを持つ研究室が意外に少なく、基本は足を使った就職活動となる。公務員希望者も多く、2割強が公務員になる。技術職だけでなく、文系職の公務員もいる。

 工学部では約8割が大学院に進む。学部卒だとメーカーで設計、開発、SEなどの職種に就く人が多い。院卒だと研究室ごとに就職枠があり、こだわらなければ心配ない。学部生は「どの企業への就職が有利か」の事前情報から研究室を決める。若い教授の研究室は就職枠が少ないという。「生命工学は就職は厳しい」「就職がいいのは機械システム工学、電気電子工学」(工学部生)。

 進路・就職相談室ではキャリア・アドバイザーに個別相談ができ、多くの学生が利用している。「学内で行われるセミナーやイベントは大々的に告知されないので、注意していないと出遅れる」との声も。農工共に有名企業からの評価は高い。実力さえあれば門戸は開かれる。東大、早慶、東工大には競り負けることもあるが、大学名でふるい落とされることはほぼないと考えてよい。