男性の使用が倍増したケア製品に含まれる、化学成分の「不安度」シャンプーやデオドラントなどの自分の身体をケアするための製品を使用する男性が、急増している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

パーソナルケア製品
男性ではこの20年で使用が倍増

 米国成人は、シャンプーやデオドラントなどの自分の身体をケアするための製品(パーソナルケア製品)を1日に平均で12種類使用していることが、米環境ワーキンググループ(Environmental Working Group;EWG)のHomer Swei氏らが7月26日に公表した新たな調査で明らかにされた。これらの12製品には、合計で112種類の化学成分が含まれており、その一部は健康にとって有害な可能性も示されたという。

 パーソナルケア製品の使用に関するこの調査は2023年2月に実施され、2,207人の米国成人(男女のカテゴリーからの選択で、女性1,128人、男性1,073人)から回答が得られた。その結果、男性では、パーソナルケア製品の毎日の使用が、前回調査時(2004年)の平均6種類の使用から今回の調査での平均11種類の使用へと倍増していたことが示された。11種類の製品の内訳は、ボディーケア製品が6種類、スキンケア製品と化粧品が1種類ずつ、ヘアケア製品が2種類で、残る1種類はベビーケア製品(お尻ふき)だった。

 これに対して、女性では前回の調査時が平均12種類の使用だったのが、今回の調査では平均13種類の使用であり、大きな変化は見られなかった。また、約10%の人は、化粧品、シャンプー、保湿剤、デオドラント、石鹸など25種類以上の製品を毎日使用している、いわゆる「ヘビーユーザー」であることも判明した。

 ただし、これは必ずしも懸念すべき事態ではないという。Swei氏は、「毎日使用するパーソナルケア製品の数は増えてはいるが、そこに含まれている化学成分の種類は減っている。

 環境への負担軽減を意識して作られるクリーン・ビューティー製品の開発や、持続可能性を重視するスチュワードシップ・リテーラー・プログラムの実施、米国の州法の制定や消費者情報の普及などが重なったことで、市場全体が根本的に変化したように思う。パーソナルケア製品に使われる成分にも、健康への配慮が感じられるようになった」と話す。

 Swei氏によると、パーソナルケア製品に使われている成分は、EWGが運営するEWG Skin Deepデータベースで、安全性が高い(緑のスコア)と評価されていたものがほとんどだったという。EWG Skin Deepでは10万点近いパーソナルケア製品の安全性を評価している。危険度は1〜10点で評価され、1〜2点が緑、3〜6点が黄、7〜10点が赤であり、スコアが高いほど危険度が高い。