米国成人が毎日曝露している
ケア製品の成分とは

 しかし、懸念すべき事実も明らかになった。調査から、米国成人は毎日、がんに関連する成分と、生殖系や発育系に有害な可能性のある化学物質に関連する成分に、それぞれ2種類ずつ曝露していることが示された。これらの成分は、主にボディーケア製品、スキンケア製品、化粧品に含まれている、パラベン、タルク、シクロペンタシロキサン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、トリエタノールアミンなどの化学物質である。

 また、平均的な成人は1日に15種類の香料成分にさらされており、そのうち7種類はアレルギー反応を引き起こす可能性があることも示された。

 EWGの健康生活科学アナリストであるSydney Swanson氏は、「香料とは、最大4,000種類もの化学物質を包含する包括的な言葉だ。しかし、その具体的な内容を開示する必要はないため、消費者はこの言葉に該当する可能性がある、ありとあらゆる成分にさらされる可能性がある」と懸念を示す。

 一方で、本研究には関与していない、米ノースウェル・ヘルスの皮膚科医であるRaman Madan氏は、「EWGの報告は消費者に不必要な不安を与えるかもしれない」と指摘する。

 同氏はその理由として、「この種の化学物質の多くは、最終的には体内に吸収されないか、吸収されたとしても微量であり、体への影響はそれほど大きくないからだ。また、パーソナルケア製品以外にも、人間は1日中、さまざまな物質にさらされている」と話す。

 現在、米食品医薬品局(FDA)によってパーソナルケア製品への使用が禁止されている成分はほんの一握りだ。しかし、カリフォルニア州やミネソタ州など複数の州が、パーソナルケア製品に関する安全性を担保するための州法を成立させている。また、企業自体も自社製品に含まれている成分を開示するようになりつつあるという。

 Swei氏は、「透明性を求める傾向が強まっている。それは、特に香料やアレルゲンなど、より多くの成分がラベルに追加されていることからも明らかだ。今でも使用すべきではない成分が検出されて失望することはあるが、そうした機会も徐々に減少しつつある」と述べている。(HealthDay News 2023年7月26日)

https://consumer.healthday.com/personal-care-products-2662314074.html

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