20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

会社ウケは悪くないが、学生のヤル気がもうひとつ

 大学全体で就職者と進学者が約半数ずつなのが特徴。全体的には偏差値に見合った就職結果になっていて、会社のウケはかなりいい。「最近、企業人気が上がっていると感じる」(人文・文化学群生)という声も。

 大学の就職課も学生の尻を叩いている。が、学生はあまり活用しない。東京の私立大学のように「就職命!」と目の色を変えている学生は少なく、競争心をあおられる環境でもないので、どこかのんびりした雰囲気はある。「交通費が高くつくため、東京に頻繁には行けず、説明会なども絞って参加した」(社会・国際学群生)というように、闇雲に走り回らず、効率を考えて動く人も多い。

 公務員試験などをめざして勉強に励む学生も一定数いて実績もあげているが、自分への漠然とした自信をベースに「なんとかなるだろう」と思っている学生もいる。

 文系の中では、経済学系が比較的好調。理系学生は院進学がスタンダードだ。学内の院だけでなく、旧帝大を中心とする他大への進学者も見られる。教授枠による推薦はほとんど期待できない。

 茨城県内の大学ということで日立グループ企業への就職は多い。また、地方公務員として地元にUターンする人もいる。筑波大は元・教育大ということで、今でも教員志望の学生は少なくない。だが、小学校を除けば、教員採用試験の競争率は依然として高い。筑波大生とはいえ簡単ではないのが実情だ。

 ちなみに、筑波大の特徴として挙げられるのが、ベンチャー育成だ。2015年度から経営者を招き、実践的な起業を学ぶ「筑波クリエイティブ・キャンプ」が学群自由科目として開かれている。ベンチャー企業に就職する学生は少ないが、ベンチャー起業をめざす学生はわりと多い。「理工系も多いが、情報学群もベンチャー色が強い」(理工学群生)。