何がどう問題なのか、行政が調べることもせず「イメージ」だけで批判に晒し、ひとつの薬局業態をつぶそうとしている。数十年以上にわたり法令上のグレーゾーンとされてきた、医療用薬を処方箋なしで直接販売する「零売」だ。
零売はこれまで長らく、法的根拠のない「局長通知」という曖昧なかたちで、薬局薬剤師たちに自制を求めてきた。そんななか、ここ数年で零売による相談販売を中心に手掛ける薬局も普及。すると「零売業者が増えてきた」などと、医師や行政に目をつけられてしまった――というのが、23年現在の状況だ。
古くは60年代から、何度も槍玉に上げられながら、そのたびに厚労省から「取り締まる根拠がない」と流されてきた零売。ところが今回の厚労省は、様子が違うようだ。検討会を立ち上げ、規制強化に向けて零売へ集中砲火を浴びせている。