1位は「飲料水・食料の備蓄」
避難経路の確保も重要

 まず賃貸の部屋探しで手軽にできる地震の備えを聞いたところ、1位は「飲料水・食料の備蓄」で70.8%と7割を超えた。2位は「避難場所・経路の確認」と「非常用持出袋の準備」が同率53.6%で同率だった。

 1位の飲料水・食料の備蓄について、不動産会社からは「水道が止まることを想定し、水をペットボトルかタンクに入れておくと良い」「最低でも1週間分以上用意しておいてほしい」といったコメントが寄せられた。

 2位の避難場所・経路の確認については「速やかに避難できるよう避難経路を日頃から確認しておく」といったコメントが多かった。地図上で避難場所を確認し、実際に歩いてみることをおすすめしたい。「出入り口付近には物や家具を置かない」といった家の中の避難経路の確保も重要だ。

 同率2位の「非常用持出袋の準備」については、「外に近い場所に非常袋や水を蓄えておくといざという時に取り出しやすい」というコメントがあった。非常袋を押入れやクローゼットの奥にしまってしまうと、いざ避難するときに時間がかかってしまうから要注意だ。玄関の収納スペースなどにしまっておくと良い。

災害が起こりそうな場所を
事前に調べておく

 賃貸の部屋を探している入居希望者が、地震に備えるために物件についてチェックすべきポイントとは何か。調査の結果、1位は「ハザードマップ(災害予測範囲、避難所など)」で59.4%と半数を超えた。2位は「築年数」で49.2%、3位は「建物構造(RC造、SRC造、木造など)」46.1%と続いた。

 1位のハザードマップについては、「ハザードマップで物件の場所を確認しながら住まいを探すのが良い」というコメントがあった。また、「災害時、インターネットがつながりにくくなる可能性もあるため、ハザードマップを印刷等してすぐに確認できるようにしておく」という住んだ後のアドバイスもあった。

 2位の築年数については、「旧耐震基準か新耐震基準かを確認する」というアドバイスがあった。1981年6月1日以降適用されている耐震基準を新耐震基準といい、建物が竣工した年が分かれば、新耐震基準かを確認する手がかりになる。

 3位・4位は構造についての項目が続けてランクイン。不動産会社が担当した顧客のエピソードを聞いたところ、「免震構造または耐震構造限定で探されている方が増えてきている」ようだ。コンクリート造か木造かだけでなく、免震・耐震・制震といった建物被害を軽減させる構造についても調べておくと良さそうだ。

地震の被害を最小限にする
設備の確認・点検をしよう

 地震に備えるためにあると安心な設備の1位は「火災報知器」で51.4%と約半数だった。2位は「ガス漏れ検知・警報器」44.0%、3位は「消火設備」43.4%だった。

 1位の火災報知器は、火災が起きたとき自動的に煙や熱を感知して警報ベルなどで知らせる設備。これにより、早めの避難や初期消火を行うことができる。

 2位のガス漏れ検知・警報器は、ガスコンロの消し忘れやガス設備の老朽化に伴うガス漏れを検知して音やランプで知らせる設備。早期発見により大きな事故を防げる。

 3位の「消火設備」は消火栓やスプリンクラーなど、消火を図るための設備。これにより、火災発生時に建物の延焼を防ぐ。これらはいざというとき自分や家族の命を守る大事な設備だから、内見の際にはどこにあるか、設備自体が古くなっていないかなど、きちんと確認・点検しておくと安心だ。