これは、アイデアをつくる際にとても重要な視点です。人間の特性を理解するとは、わかりやすく言えば、「お客様目線で考える」ということです。

 ここでは、お客様目線にとって、特に大きな影響を与える「色」についてお話をしたいと思います。

マクドナルドの看板は
なぜ目立つのか

 私たちは、情報の約8割を視覚から得ています。色は、視覚に留まる大切な要素ですから、色そのものが持つ心理的な効果(特性)を活かせば、人に大きな影響を及ぼすことができるのです。

 私が考える最強の色の組み合わせは、「赤色」×「黄色」です。

 セール期間中に見る「Sale」と書かれたPOPは、どういう色の組み合わせか思い出せますか? その多くは、赤色と黄色の組み合わせだと思います。

 この組み合わせだと、何より目立ちますし、人の目に留まるのです。これが、色そのものが持つ心理的な効果(特性)ということになります。

 試しに街に出て、いろいろ観察をしてみてください。

 大手外食チェーンである「マクドナルドの看板」はどうでしょうか?

 最強の色の組み合わせ「赤色」×「黄色」でできていますよね。街中でも郊外でもとても目立ちます。きっと、マクドナルドがまだ無名だった頃でも、この看板ならよく目立って、お客様の関心を引いたことでしょう。

 ほかに気になるのは、「ワークマン」。元は、建設などの工事業者向けの作業着などを展開していた会社です。

 最近は、低価格で高品質なアパレル企業として、従来の枠組みを超えた新業態を拡げています。この新業態のロゴを見てみましょう。どれも違って見えますが、ワークマンの基本色である黄色系の色を取り込み、一目でワークマングループだとわかるようになっています。