脚本家の三谷幸喜脚本家の三谷幸喜 Photo:Lintao Zhang/gettyimages

脚本家の三谷幸喜と
アニソン歌手の水木一郎

 東京の南西部にあり、23区で最多の人口を抱える世田谷区。その住宅地の中にある世田谷学園は、6年制中高一貫教育の私立男子校だ。曹洞宗をバックにしており、柔道で多くの五輪メダリストを輩出する一方、進学校としても定評がある。

 活躍ぶりが目立つ卒業生は、脚本家・演出家・映画監督の三谷幸喜だ。NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年放送)、『真田丸』(16年放送)や民放のテレビドラマなど多くの脚本を担当、「売れてる脚本家」の筆頭に挙げられる人物だ。

 三谷は、世田谷学園高校を経て日芸(日本大学芸術学部)の演劇学科を卒業した。大学時代から劇団を結成、放送作家としても活動した。1989年頃から、民放連続ドラマの脚本を手がけるようになった。

 この数年で、菊池寛賞、NHK放送文化賞、そして『鎌倉殿の13人』で向田邦子賞を受賞した。22年4月からは『情報7daysニュースキャスター』(TBS系列)にレギュラー出演している。

『マジンガーZ』『宇宙海賊キャプテンハーロック』をはじめ数多くのアニメの主題歌を歌い、「アニメソング界の帝王」と呼ばれた歌手の水木一郎が、世田谷学園高校の卒業だ。

 NHKの『おかあさんといっしょ』で番組2代目の「うたのおにいさん」を務めたことから、「アニキ」の愛称でも親しまれていた。70年代以降、アニメ・特撮作品の主題歌・挿入曲を多く歌い、アニメソング歌手としての評価を確立した。

 日本のアニメ、ゲームソフトは世界に冠たるクール(かっこ良い)コンテンツになっているが、水木の歌声は海外のファンの間でも親しまれてきた。22年12月、74歳で死去した際には、「私が日本語で歌うことができるのは、水木の曲だけなんだ」といった称賛の声があふれた。

俳優の内野聖陽や
左とん平、萩原流行もOB

 俳優としてよく知られているのは、内野聖陽だ。実家が横浜市の曹洞宗寺院だったことから世田谷学園高校に進み、早稲田大政経学部を卒業した。在学中に文学座研究所に入り、舞台俳優としての修業を積んだ。

 00年代になって、『エリザベート』でミュージカル出演、また07年にはNHK大河ドラマ『風林火山』で主役を演じるなど、舞台・テレビドラマで引っ張りだこの俳優になった。