子どものパフォーマンスを伸ばす
「自律サポート型」子育て

 さて、コントロール型子育てが、「避けるべきダメ子育て」なら、子どもが言うことを効かない時、どのように向き合っていけばいいのでしょうか?

 そこで、今回ご紹介するのが、「のびのび派」の「自律サポート型」子育てです。

 この自律サポート型子育てをすることによって、

・幸福感や自己肯定感が上がる
・社会貢献の気持ちが増す
・好奇心とやる気が強くなる
・自信がアップする
・成績が上がる
・学校が好きになり、より頑張る

 など、たくさんのいい効果があることが科学的にわかっています。

 そして、子どもの心の安定と健全な社会性を育むだけでなく、いい親子関係の構築にもつながるのです。

 なぜ、自律サポート型子育てが子どもに良い影響を与えるかというと、人間の「心の3大欲求」である、「自律性」「できる感」「つながり」をすべて満たすことができるからです。

 「自分からやろうとする気持ち」をサポートしていき、「自律性」が満たされると、やる気や自信が生まれて子どものパフォーマンスは上がっていきます。

 その結果、「できる感」にもつながります。

 さらに、親が子どもの意思を尊重する姿勢を示すことで、良い親子の「つながり」まで育むことができるのです。

 このように、自律サポート型子育ては、子どもの心にポジティブな流れをつくってくれる「最強の子育て法」といえます。

大注目の「自律サポート型」子育てを実践するには?

 では、自律サポート型子育ては、具体的にどのように取り組めばいいのでしょうか?

 それを理解するためには、「共感」「説明」「自己決定」の3つの要素を知る必要があります。

 これらは、これまでの心理学の関連研究で自律サポート型子育ての基本として注目されてきました。

 子どもが何かすべきことを嫌がっているシーンを想像してみましょう。

 そんな時、「共感」「説明」「自己決定」の3つの要素をどのように生かしていけばいいのかをご紹介します。

●自律サポートの基本要素1
共感から始める

 嫌がっている子どもに、「やりなさい!」と声をかけてしまっては、感情を逆撫でして、子どもの気持ちとの対立を深めてしまいます。

 子どもが嫌がっているときは、まずやりたくない気持ちに共感し理解を示してあげる。

 そうやって、子どもの気持ちを理解しようとする姿勢を見せてから、なぜやりたくないと思っているのかを丁寧に聞いてみましょう。

●自律サポートの基本要素2
なぜやるべきか説明する

 つい、「やりなさい!」と押し付けたくなる気持ちもわかりますが、自律性を育むためには、子どもが理解できるように「なぜやるべきなのか」を説明して納得させてあげることが重要です。

 また、なぜやるべきかを子どもと一緒に考えたり、子どもに考えさせることもいいでしょう。

 自分でやるべき理由に納得することは、内発的やる気を引き出す第一歩です。

 その上で、「そのやるべきことはできると思うよ」と伝えてあげることで、子どもの心の欲求である「できる感」を満たてあげることができます。

●自律サポートの基本要素3
自分で決めてもらう

 子どもが嫌なことをやらなくてはいけない時でも、必ず子ども自身が自分で決められる機会を作りましょう。

 たとえば、宿題をやって欲しい時は、いつやるか、どこでやるか、どの教科からやるかなどは、子どもに決めてもらいます。

 そうすることで、子どもの「自分から感」が上がって、内発的なやる気を引き出すことができるのです。

 選択肢を持てないと誰かに決められたものにコントロールされている感覚になり、自律性を妨げてしまいます。

 いかがでしたでしょうか?

 「共感から始める」「なぜやるべきかを説明する」「自分で決めてもらう」の基本要素3つを意識することで、自律サポート型子育てを実践でき、子どもの心を満たしながら必要なメッセージを伝え、成長を促すことができます。

 ぜひ、お子さんが「嫌だ!」となってしまった時に、実践してみてください。

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