コロナ世代の新入社員に聞くホンネ、仰天コミュニケーションギャップの原因とは?リモート飲み会などに慣れたコロナ世代は、社会に出て苦労することが多いという(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「会社の同期とうまくいかない」
コロナ世代の教え子から悩みが続々

「同期の社員とまったくうまくいかないんです。お菓子をあげてもお礼も言わないし……」

「IT勤務で同期は男子ばかり。ランチを同期でしても、ほとんど会話がありません。私も上司と会話する方が愉しいです」

 女子短大で客員教授を務めている私は、この1カ月、経験したことがない相談を、今年4月に社会に出た教え子たちから受けるようになりました。卒業生から相談を受けることはよくあります。体調が悪くて休むときの会社への連絡メールの書き方、上司とうまくいかないときの解決策――。そんな相談はよくあるのですが、一番話しやすいはずの同期の社員とうまくいかないという相談が頻繁にくるのは初めてです。

 少し考えて、ハタと気づきました。今の新入社員は大学や短大において、在学中の多くの期間、あるいは全ての期間、コロナ禍で勉強していた世代なのです。

 これまでも、コロナ世代の特徴として「プライベートを重視する」「飲み会を嫌がる」といった傾向は指摘されていました。しかし、コロナ体験は一時期的なもので、少しは普通の授業や部活、学園祭などを経験し、大学で友人や教師とコミュニケーションがとれていた世代もいたのです。

 でも、今年の新入社員は違います。大学卒業者の場合は、入学して2年目に緊急事態宣言が出て、リモート授業に移行しました。私の短大はリモート授業にもともと慣れていましたが、首都圏や大都会の大きな大学ではずっとリモートのままリアルの授業に一度も出たことがない、就活では企業の説明会も面接もほとんどリモートだったという世代なのです。これは、ある意味「全く違う大学経験」といっていいでしょう。

 冒頭の教え子の1人は、現在新入社員2人で組んで研修をしていますが、本人は地方の短大出身なので、コロナ禍でもほとんど対面での授業を経験しました。学園祭も部活も経験しています。大人しくて優しい子なので、滅多に苦労話などしないのですが、今回ばかりは思い詰めたように、悩みを打ち明けてきました(今は卒業生ともリモートで面談できます)。