また、外苑全体で見ると、再開発で緑は増えるという。3m以上の樹木は再開発前の時点で1904本あり、そのうち743本を伐採する予定だが、837本の樹木を新たに植えることで、再開発後は1998本に樹木を増やす計画だ。

 さらに、緑地などを含むオープンスペースの面積は、現在の約21%から約44%へと約2倍に広がるという。

 何より、明治神宮外苑が「本来の姿」を取り戻すことができる計画となっている。

 明治神宮外苑は、明治天皇と昭憲皇太后のご遺徳を永く後世に伝えるために造成され、開かれた「外苑」として聖徳記念絵画館や西洋庭園、スポーツ施設などが整備されたものであった。それが戦後、米国の連合国軍総司令部(GHQ)によって接収され、もともとあった西洋庭園がスポーツ・レジャー施設へと改修され、現在の軟式野球場の姿となっている。今回の工事によって、GHQ接収以前の姿が少し取り戻されることになる。つまり、イチョウ並木の奥にある現在「軟式野球場」となっているスペースが、「絵画館前広場」となるのである。

 この「昔の姿に戻そう」という計画については、明治神宮が特にこだわっていたと聞く。

カップ氏が同じく関心を向ける
東京・中央区の浜町公園

 以上、神宮外苑について述べたが、いまカップ氏の関心は、東京都中央区にある浜町公園にも同様に向いている。近くの小学校を建て直すので4年間、浜町公園にプレハブの仮校舎を建てる。

 カップ氏は、「朝日新聞GLOBE+」(23年10月12日)において、浜町公園の小学校のプレハブ建設についてこう述べている。