《公園の該当エリアを、現在ある樹木(イチョウ、ケヤキ、モミジ、ヤマモモなどの大木)30本を撤去して園内2000平方メートルを更地にし、プレハブ3階建ての仮校舎を作る計画だ。樹木の新たな根を出させる根回しなどの準備が2023年6月から夏にかけて行われたため、枝が切られたり、幹巻きされたりしている樹木が目立つ》

《中央区には苗圃(びょうほ)がないので、30本の樹木は千葉にある苗圃までトラックで運ばれ、そこに移植され、4年後に浜町に戻すという計画になっている》

《周辺に樹木がなくなり、道路のぎりぎりの場所に仮設校舎が設置されると、周りの住宅に教室の音、特に音楽の練習などが聞こえてくるのではないかと言う心配もある》

 カップ氏は、まったく日本の文化に理解がないのかもしれないが、日本人はこれまで、木を切りながら自然と共生してきた。例えば、伊勢神宮は、20年ごとに式年遷宮を行い、建物を作り替えてきた。当然、伊勢神宮は木でできているので、木を伐採してその建築材にしているのである。カップ氏の言い分がまかり通れば、伊勢神宮は式年遷宮をやるなということになってしまう。

 小学生の音楽の練習音に関する言及に至っては、樹木とは関係ない。これでは「何にでも難くせをつける活動家のいつものアレ」と批判を受けても仕方がないのではないか。

 まず、カップ氏には日本の文化を尊重してほしい。諸外国と比べて、経済規模と比較した二酸化炭素(CO2)排出量は少ない。例えば、排出の総量では中国が断トツで多く、1人当たりの排出量では米国よりも少ないのだ。批判の矛先とすべき国家がそもそも違うのではないか。明治神宮外苑も、工事期間を経て緑が増える計画なのである。