ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の隠れた資産が不動産だ。保有する13物件の資産価値は530億円に上る。特集『ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉』(全16回)の#6では、独自試算の賃料収入と併せ、「ジャニーズ不動産」の全貌を明かす。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
本社ビルはソニー・ミュージックから取得
「ジャニーズ不動産」は東京都心に13物件
“帝国”が崩れ落ちた瞬間だった。10月15日、ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の社名変更に伴い、東京・赤坂にある本社ビル外壁に掲げられていた看板が外された。路上では多くのファンが最後の瞬間を目に焼き付けていた。
本社ビルは、東京メトロ千代田線の乃木坂駅から徒歩2分の一等地にある。ビルは元々ソニー・ミュージックエンタテインメントが所有していた物件で、2018年にジャニーズ事務所が取得した。
ソニーグループの有価証券報告書によると、17年度にソニー・ミュージックエンタテインメントの不動産売却益として105億円が計上されている。ジャニーズ事務所は銀行からの借り入れなしでこの物件を取得したもようだ。
01年に竣工したこのビルは地上6階地下3階で、地下1~3階にはレコーディングスタジオが入る。スタジオ部分は賃貸借契約により、ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営している。
前述のとおり、本社ビルは都内の一等地に建つ。さらに、周辺にも複数のビルを所有し、関連会社が入居しているという。これらだけでも、ジャニーズ事務所が所有する不動産はゆうに100億を超える。
一方で、同事務所が保有する不動産は本社ビル周辺だけではない。実は、都心に13物件も所有しているのだ。次ページでは、不動産鑑定士の協力を基に試算した「ジャニーズ不動産」の資産価値を明らかにしていく。また、賃料収入についても初公開する。