世界の平均気温
10月も観測史上最も暑い10月に
世界気象機関(WMO)は11月8日、今年の10月は観測史上最も暑い10月となったと発表した。1~10月の期間も世界の平均気温はこれまでの同期間の最高より高く、2023年は観測史上最も暖かい年となるのがほぼ確実となった。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、23年10月の平均表面温度は15.30℃で、これまで最も暖かかった19年の10月の気温より0.40℃高く、全ての月と比べても23年9月に次いで2番目に高かった。産業革命以前の基準である1850年から1900年と比較すると、10月では約1.70℃高くなっている。
今年5月に発生したエルニーニョ現象が世界的な高温の主な原因とみられるが、影響は少なくとも24年春までは続くとみられており、24年も平均最高気温を更新する可能性がある。
東京都心でも23年は最高気温が25℃以上となる「夏日」は11月7日に記録するなど、今年は計143日と過去最多を更新。いわば「夏」が5カ月近くに及ぶという異常気象になった。
海面水温の上昇で南極大陸など海氷面積は過去最少になっており、今後、海氷の融解が進めば、さらに地球温暖化を加速させる。異常気象の「常態化」は人間社会に何をもたらすことになるのだろうか。