いい変化にもストレスはつきもの 結婚や転職もストレスが大きい
前項では、ピンチやストレスフルな状況では、首尾一貫感覚が役に立つとお伝えしました。しかし、うれしい出来事や幸せな状況であっても、ストレスになることがあるので、この点には注意が必要です。
アメリカの精神科医トーマス・ホームズらがストレス要因となる人生の出来事をリスト化し点数をつけたものに「ライフイベント・ストレス表」というものがあります。

それによると、親しい人の死や病などの悲しい出来事だけでなく、結婚や出産、転職といった好ましい出来事であっても、ストレスが高いとされています。いい変化であっても悪い変化であっても、変化にはストレスがつきものなのです。
例えば、念願かなって自分が希望していた花形の部署に行けたとします。
しかし、そこに行っても、職場に慣れたり、その部署の仕事のやり方を覚えたり、希望の仕事につけたからこそ「結果を出さなきゃ」というプレッシャーを感じたり、その新しい仕事なりのストレスがあります。
また、結婚して大好きな人と一緒に住むことになったとします。好きな人と暮らすことになったとしても、楽しい思いもある一方で、やはりお互い別々に暮らしていた者同士、朝起きる時間や食べ物の好み、何かを選択するときの考え方、休日の過ごし方などが自分とは異なり、言葉にしがたいストレスを抱えることもあるでしょう。