正解は 2

解説 この設問でも、株を買ってもいい会社を見極めるためのポイントは、その“伸びしろ”です。

①は、時価総額100億円とまだ小規模で、その点では投資対象としては検討の余地があります。しかし、業績が安定している会社というのは、もう伸びしろがない可能性が高いとも考えられます。

もちろん、業績が安定しているということは、しっかりと需要をとり込めているわけですが、株価上昇の伸びしろという点からすると、投資は見送ったほうが無難です。

時価総額とPER(株価収益率)

②は、小型株集中投資の観点からすると、時価総額400億円と本書『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』で目安とする300億円より高めですが、売上高が3年で10倍と急成長しています。

M&Aという業界自体も、今後のさらなる社会の高齢化によって、事業譲渡の需要が増えることで、業界全体が伸びていくと予想されます。

時価総額400億円に対して純利益20億円で、PER(株価収益率)20倍と割高です(PERは15倍程度が1つの目安で、数値が小さいほうが割安、数値が大きいと割高とされます)。もっとも、そこまで過度に割高な水準でもないため、成長企業を買うタイミングとしてはアリです。

時価総額・売上高を
業界トップと比較

②は、2022年7月時点のM&A総研ホールディングス(9552、旧M&A総合研究所、2023年3月に社名変更)を想定したのですが、本書執筆時点で大きく株価を伸ばしています。

③も②と似たような条件ですが、時価総額2000億円と大きいです。株価の伸びしろからすると、ほかが同じような条件であれば、時価総額の小さな②のほうが、より大きなリターンを期待できます。

④は、時価総額50億円とかなり小さく、それだけみると魅力的です。しかし、出版という業界で直近3年間収益が減少していることを考慮すると、このタイミングでの投資は見送ったほうが無難でしょう。

【株ドリル】儲かるのはどれ? 伸びる株を見つけるとき、素人は「株価」を見る、では一流は?

私自身がM&A総研ホールディングスに注目し、実際に投資して大きな値上がり益を得ましたが、着目した当時の業界比較をみると、業界トップの業績に比べて、時価総額・売上高ともに、伸びしろがふんだんに残されていたことがわかります。

ポイント 時価総額が小さく業績が伸びている会社に投資するのが基本

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。