そして最後は(3)効果のフェーズに入ります。

(3)効果……その広報プロジェクトによってどれだけの行動変容が起こせたか

 ここでは、メッセージを発信した後における情報の受け手の心情や行動の変化を捕捉します。具体的には、
・購買につながった人
・商品を好きになってくれた人
・発信主体の思惑通りに感じてくれた人、行動してくれた人

 最上位の変容として
・社会や文化を変化させること

 3つの階層のうち、「(1)準備」と「(2)実施」の段階は、自分たちの努力でなんとか達成できる部分なのですが、「(3)効果」は情報の受け手の行動変容なので難易度が高いです。また実数を把握することも容易ではありません。かつては報道された時間や記事の面積をもとに、同等の枠(時間・スペース)の広告を出稿した時の費用に置き換える「広告換算額」で片づけられていた時代もありました。

SNSが普及し
見える化した生活者の反応

 その一方で、近年ではフェイスブックやツイッターなど感情を双方向で伝達し合うことができるSNSが誰もが利用できる熱量伝達のプラットフォームとなり、一人ひとりの振る舞いや感情の変化の集計が容易になってきています。また、SNSを含めたインターネット上に、自分たちが発信した話題に関するコンテンツが存在することで、幅広い層の生活者に気がついてもらいやすくなり、シェアやリツイートなどにつながる場合もあります。

 企業が積極的にSNSで発信を行うことにより、情報の受け手の感情の変化などを捕捉できることに加えて、露出後(報道後)の熱量伝達を促したり、新たなファンを獲得する場をつくったりすることも可能となり、報道された効果を最大化することにつながります。先述の「より多くのターゲットにリーチするための工夫ができたか」は、このような活動によっても実現できるわけです。

「(3)効果」のフェーズでは、効果を的確に捕捉することと、効果を増幅させるためのオウンドメディアの運営が必要となります。同時に2つのことに話が及んでしまっているので、ここで一旦整理します。