報道の客観的な視点は
生活者に響きやすい
いままで接点のなかった人たちに自分たちの活動や商品・サービスを知ってもらえることが、報道による最も大きな効果・成果です。情報番組で「ココアが健康に良い」「納豆が○○に良い」と紹介されると、日本中のスーパーでココアや納豆が売り切れになることがかつてよく起こりました。まさに、皆さんが手がけられている広報活動でも、これと同じようなことが起こせるのです。
SNSやウェブサイトで宣伝文句を訴えても、お金をかけて広告を出稿しても、それらのコンテンツは自分たちの言葉で訴えている主観的な内容にすぎないので、消費者心理として警戒心を持たれてしまいます。その一方で、報道は第三者である記者やディレクターが客観的な視点で紹介してくれるので、警戒心なく幅広い層の消費者に伝播していきます。
報道がポジティブな内容であれば、大きな共感や社会からの評価につながります。その結果として、同じメディアでの露出でも広告では得られないような大きな効果につながり、いままでリーチし得なかった層にも自分たちの取り組みを知ってもらえるのです。テレビ番組で全国放送された場合などには、普段の数十倍から数百倍のPV獲得につながりウェブサーバーがパンクすることもよく起こります。
これほどにも大きな効果が報道によって獲得できる可能性があるのですが、オウンドメディアの運営やタイミングの良い情報発信がきちんとできていないと、報道の成果を取りこぼす恐れがあります。シンプルなものでもよいので、ウェブサイトや公式SNSチャンネルなどをしっかりと運営し、報道されたことについてもたどりやすくしておきましょう。
報道された話題に関するプレスリリースへのリンクがトップ画面に置かれている。もしくは報道されたことをお知らせコーナーに掲載し、SNSでもリアルタイムで同様の情報を発信する……。こうした運営が日常的になされていれば、報道を見て社名や団体名を検索してたどって来てくれた新規来訪者に対して必要な情報を届けることができ、行動変容を促すことも可能です。報道される時には、メディアからの問い合わせ対応に専念しがちですが、報道の効果を最大化するための"刈り取り"施策も広報業務の一環であることを理解してください。そして、報道を見て来訪してきてくれた“新たなファン"の気持ちは、しっかりとつなぎ止めていきましょう。
アステリアでは、テレビ取材が入った場合には収録中の写真を使いながら、放送の告知をテレビ局の方には、次のことを確認します。
(1)テレビ放送の事前告知をしてよいか
(2)収録中の様子をSNSにアップしてよいか(スタッフの方々の顔が映ることの許可も)
放送告知の投稿事例(フェイスブック・X) 画像:本書より 拡大画像表示
『先読み広報術 1500人が学んだPRメソッド』(宣伝会議)長沼史宏 著
放送前にこうした投稿ができると、既存のフォロワーに伝えられるだけでなく、テレビを見て初めて知った人が検索した時にも、我々のアカウントまでたどりやすくなる効果があります。こういう投稿は、フォロワー以外からの“いいね”が獲得しやすいので、新たな層とのタッチポイントにもなっているという手応えを感じています。
ここからは注意事項です。放送されたテレビの画面を撮影してSNSに投稿している方がいますが、これは著作権の侵害行為です。せっかくテレビで紹介されたのに、かえって会社の評価を落とすことになりかねません。新聞や雑誌も同様ですが、メディアが制作・配信しているコンテンツには著作権があることを念頭に、広報活動においてもコンプライアンスを徹底していきましょう。







