視聴者や読者が報道を見てそのテーマや取り組みに共感した時には、話題の発信主体(企業・団体)について調べようとする人が一定比率で発生します。そういう人は、ウェブサイトで社名や団体名を検索してみたりツイッターなどのSNSでも調べてみたりします。この時に、発信主体が運営するメディア(オウンドメディア)に、その話題に関するコンテンツが存在すれば、新たなタッチポイントの創出につながります。せっかく良い形で報道されても、ネットやSNSでたどることができなければ、こうしたタッチポイントを創出するチャンスが失われてしまいます。

 したがって、広報活動を充実させ報道による露出効果を最大化していこうとするのであれば、自分たちが運営しているウェブサイトや公式SNSアカウントなどからの情報発信も日常的に行っていく必要があります。これらのチャネルによる情報発信は、いままで接触できていなかった層とのタッチポイントになるばかりでなく、新規フォローや“いいね”などのアクションにも発展する場合があるので、新たなファンの気持ちをつなぎ止めることにもつながります。

 オウンドメディア運営の実務として、最初に着手してほしいことが報道に合わせたコンテンツの掲載です。報道されることは事前に分かるので、その話題に関連したコンテンツをウェブサイトやSNSにあらかじめ掲載しておきます。

<ウェブサイトやSNSへの投稿例>
・報道されることに関する事前告知(テレビ局などメディアの事前許可は必要)
※事前告知NGの場合があるのでメディアの指示に従う。報道直後の掲載でもOK
・報道された内容に関連したセミナーやイベントの参加募集に関する情報をあらかじめ掲載しておく
・報道で紹介された製品・サービスに関するプレスリリースやコンテンツを掲載(ウェブサイトのトップページからすぐにたどれると良い)

 これ以外にも業態に応じてやれることはあると思います。ポイントは、報道によって高まる自分たちに対する注目度を上手に活用して、関係性が深まるような新たなコンバージョンにつなげることです。

 オウンドメディアにこのようなコンテンツが存在することで、報道を見て新規に訪問してくれた人に「この会社だな」と、分かってもらいやすくなります。あざといケースでは、報道後に押し寄せる大量のPVを見越して、ウェブサイトやSNSに、販促キャンペーンを告知するコンテンツを目立つように載せたりしている企業も散見されます。SNSでは、報道後に新規フォロワーがドッと増えたり、来訪者による“いいね”が獲得しやすくなるので、共感してれた気持ちの受け皿や新規ビジネスにつながる動線をしっかりつくっておきましょう。