さらに、2026年卒以降は、春休み以降に実施される2週間以上の「専門活用型インターンシップ」に限り、インターンシップで取得した学生情報を、卒業・修了前年次3月以降より採用選考活動に使用できるようになります。その場合、企業側が学生に開示しなければいけない情報として以下が加わり、学生は、大学・大学院での学習姿勢が具体的に問われるようになります。

・新卒一括採用に係る全体の採用計画(全体の採用人数等)

・就業体験を行う際に学生に求める大学における学修成果水準(GPA等)

・就業体験を行う際に学生に求める専門的能力

インターンシップ等4類型の認知率は
半数前後と、周知に課題

 では、実際に25年卒の夏のインターンシップの開催状況や参加状況はどうだったのでしょう。当研究所が実施した『2025年卒 インターンシップ・就職活動準備に関する調査』では、2023年9月時点での、インターンシップをはじめとしたキャリア形成支援に係る取り組みの4類型について、認知状況を調べています。

 まず、4つの類型化について知っているかどうかを大学生に聞いたところ、「知っている」と回答した割合は43.7%と、半分以下に留まりました(大学院生は47.7%)。また、一定の基準を満たすインターンシップで得た学生の情報を、企業が広報活動や採用選考活動に使用できるようになったことについては、44.3%の学生が「知っている」と回答しました。大学院生の認知は53.3%と、大学生よりも高い数値となりましたが、いずれの認知率も半数前後に留まります。インターンシップのあり方が変わったことについて、学生への周知にはまだまだ課題があることがわかりました。

 そもそも、5日以上のインターンシップ等に参加経験のある学生はどれくらいいるのかを聞いたところ、参加したことがあると答えた学生は18.4%。8割以上が参加したことがないと回答しました。5日以上のプログラムに参加したことがある学生に対して、そのプログラムがタイプ③かどうかを認識を聞いたところ、38.2%に参加経験があった一方、「わからない」と答えた学生は42.5%でした。つまり、自分が参加したプログラムが、タイプ③に当てはまるかどうかわからないということであり、4類型の違いや条件が学生にはなかなか伝わっていないとも考えられるでしょう。