インターンシップ改革初年度「夏」振り返り、学生たちは何に戸惑いどう動いたか?新ルールのインターンシップを経験した学生たちは、どんな感想を持ったのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「インターンシップ」の考え方が大きく変わった今年度、その対象となる2025年卒学生の夏のインターンシップが終わった。就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第12回。今回は、夏のインターンシップの振り返りと、これからの冬期、春期開催のインターンシップ参加へのアドバイスも伝えていく。

インターンシップ等の
あり方はどう変わったか

 本連載の7月掲載分でも詳しく解説しましたが、25年卒の採用活動から、「インターンシップ」は「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」として、4つに類型化されています。

 業界や企業情報の提供やPRを行う単日開催のものはタイプ1として「オープン・カンパニー」、大学でのキャリア教育授業や、企業などがCSR活動の一環として行ってきたプログラムはタイプ2として「キャリア教育」となり、インターンシップと称して実施されるのは、タイプ3の5日間以上の実施が求められる「汎用的能力活用型インターンシップ」と、2週間以上の実施が求められる「専門活用型インターンシップ」、タイプ4とされる大学院修士課程、博士課程を対象とした「高度専門型インターンシップ」のみになっています。

 今回の文部科学省、厚生労働省及び経済産業省による三省合意の改正により、学生にとってのインターンシップ参加の目的は、これまでの「キャリア教育」というものから、「就業体験を通じて、自らの能力を見極める」ことに再定義されました。企業側は5日間以上のインターンシップを実施することで、参加学生の情報を採用活動に活用することが認められ、卒業・修了年次前年3月以降は広報活動に、卒業・修了年次6月以降は採用選考活動に使用できるようになりました。

 企業にとっては、学生の評価材料の取得というメリットがある一方、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」には次の5点の必須条件があり、開催ハードルが高い面も否めません。

1.就業体験要件:実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること。

2.指導要件:職場の社員が学生を指導し、学生に対しフィードバックを行うこと。

3.実施期間要件:汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上とすること。

4.実施時期要件:学業との両立の観点から、学部3年・4年ないしは修士1年・ 2年の長期休暇期間 (夏休み、冬休み、入試休み、春休み)に行うこと。

5.情報開示要件:プログラム概要や実施期間、就業体験内容などの情報を募集要件に記載すること。