インターンシップがこれだけ変わる!「働く」と「学ぶ」をつなぐ理想の出会い2025年卒のインターンシップが始まった。今年度から大きく変わるその中身とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2025年卒学生のインターシップのエントリー受付が6月から始まった。就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第8回。今回は、今年度から変わるインターシップの仕組みについて、解説する。

「インターンシップ」の再定義で
就業体験が必須に

 25年卒の採用活動から、「インターンシップ」の考え方は大きく変わり、4つに類型化されました。これまでインターンシップと呼ばれてきたものには、1日以下の開催(1day仕事体験)から、2日以上にわたる就業体験(インターンシップ)までさまざまな形が含まれていました。

 しかし、25年卒以降、タイプ(1)「オープン・カンパニー」、タイプ(2)「キャリア教育」、タイプ(3)「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、タイプ(4)「高度専門型インターンシップ」の4つに類型化され、インターンシップと称して実施できるのは、学部3・4年、修士1・2年、博士課程学生を対象としたタイプ(3)「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」と、主に修士学生や博士課程学生を対象としたタイプ(4)「高度専門型インターンシップ」になります。

 タイプ(3)の「汎用的能力活用型インターンシップ」は5日間以上の実施が求められ、「専門活用型インターンシップ」は2週間以上の実施へ。インターンシップ本来の目的である、「社会に出る前に仕事の場を体験してみる」ことを重視した変更と言えるでしょう。

 このインターンシップと称することができるタイプ(3)、タイプ(4)に限り、参加学生の情報を採用活動に活用することが認められ、卒業・修了年次前年3月以降は広報活動に、卒業・修了年次6月以降は採用選考活動に使用できるようになりました。

 インターンシップのあり方には、学業とキャリア形成(就活)の両立という観点で、課題が指摘されてきました。当研究所が行った24年卒向けの調査では、「インターンシップ・1day仕事体験」の平均参加社数は8.93社であり、応募・選考・参加のプロセスを考えれば、学生はかなり多くの時間をインターンシップ・1day仕事体験に費やしていると言えます。

 このような背景から、経団連と大学関係者による「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、学修機会を損なわない取り組みの実施を求めて2022年4月に報告書を発表。同年6月に、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合意により「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正されることになりました。インターンシップをはじめとした大学生などの「キャリア形成支援に係る取り組み」が4つに類型化されたのです。