参加して良かった点を聞くと、「具体的な仕事内容を知ることができ、大学の研究との考え方の違い等に気付くことができた」「アルバイトとの違いを感じることができた」「考える時間が十分に用意されており、実際の業務に近い頭脳労働を行うことができる、仕事のイメージがついた」など、会社の雰囲気や仕事内容のリアルな情報を得られる点で、好意的な意見が多く見られました。
また、「自分が長時間座って働き続けることが苦手であることに気付けた」というコメントもありました。どんな働き方なら続けられそうか(続けられなさそうか)は、実際に体験しなければわかりません。「苦手」を見出したことは、一定期間、実務についたからこそ得た大事な気づきでしょう。「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」に参加する価値は、こうした“体験から得る自分なりの発見”にあるのだと思います。
インターンシップ等への参加は
自分なりの目的意識と仮説を持とう
ここまで、25年卒の学生の夏のインターンシップ等の参加状況を見てきましたが、これからくる冬休み、春休みにも「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」は数多く開催されます。これまでの期間で参加していない学生の皆さんも、焦りを感じる必要はありません。
参加を検討する際に大切なのは、目的を明確にすること。数多く参加して情報に溺れてしまうことのないように、何を知るために参加するのか、自分なりの仮説を持つことです。業界や企業を幅広く見たいのなら、オープン・カンパニーなどの1日以下のプログラムに参加するのもいいでしょう。よりリアルな業務体験を通じて適性を見極めたいなら、社員から直接フィードバックがもらえるインターンシップにチャレンジするのもいいと思います。
「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」への参加では、「参加できなかったら不利になるのでは」「インターンシップで悪い印象を残すと本選考でも落とされそう」という不安を抱く学生もいます。しかし、参加できなかったからといって、本選考の選択肢がなくなることはありません。インターンシップ等はあくまでも、自分が納得できる選択をするための、経験の場。ぜひ、その機会を活用していってほしいと思っています。
(リクルート 就職みらい研究所 所長 栗田貴祥)