不安を解消するには、老後の資金管理と支出の見直しが必要

 収入の減少と貯金の目減りにより、Kさんは将来に対して大きな不安を抱いています。64歳からは会社員時代の厚生年金を、まずは特別支給の老齢厚生年金として月4万円受け取り、65歳からは国民年金が加わり、月10万円の年金を受け取っています。加えて、整骨院からの収入が生活費となりますが、その整骨院の収入が不安定で収入が多くないとなると、違う働き方を考えなければならないかもしれません。

 その前に、支出の削減を考える必要があります。現在、Kさんの月々の支出は約30万円に上ります。年金のみの収入になると、20万円も足りません。外食やネットショッピング、家族や孫への出費が支出の主な要因です。Kさんはこれらを減らしたいと考えてはいますが、実際には外食をしてしまい、子どもたちや孫にもお金を使ってしまいます。

 これから先も働き続けるにしても、生活費を削減して貯金の減少を防がなければ、貯金はあっという間になくなってしまいます。できれば、働けるうちに貯金を増やすことが望ましいです。そのため私たちは、Kさんと一緒に支出を見直し、削減策を考え、実行を促していますが、長年の習慣を変えるのは容易ではありません。危機感はあるものの、実際にはなかなか変われないでいるのです。

 最近、整骨院が赤字となり、生命保険の契約者貸し付けを利用した、と報告がありました。今後の状況が非常に心配です。お子さんたちの協力が必要になるかもしれません。

 老後の準備不足は自分だけでなく、子どもにも負担をかけることになります。気付いたときに適切な対策を講じることが、困窮を回避する鍵です。長年の習慣を変えるのは難しいかもしれませんが、努力は必要です。ストイックになる必要はなく、メリハリをつけるだけでも大きな変化をもたらすことができるのです。