スタートアップが1on1を取り入れるべきタイミングについては、これ、と決まった時期があるわけではありません。ただ、創業者や創業メンバーが「現場の人が考えていることがちょっとわからなくなってきた」と感じるようになったら、それは1on1を取り入れた方がよいというサインになります。

また、報酬や評価について、制度化まではいかずとも、何らかの基準となるものを決めなければならない、ということになってきたときも、1on1導入のタイミングではないかと考えます。ただし報酬や評価と1on1は、必ずしもリンクしている必要はありません。

トップが「現場で起きていることについて肌感覚がなくなってきた」と感じるようになったり、評価の基準が必要だと感じたりするのは、逆に現場の人にとってもトップのビジョンや意図がわからなくなるタイミングです。組織のステージとして、1on1を設定することでビジョンや意図を現場に伝える仕組みを用意することができます。

スタートアップにおいては、忙しさにかまけて1on1をスキップしてしまい、気づいたらしばらく話を聴いていなかったということになりがちです。繰り返しになりますが、とにかく頻度を落とさないことは心掛けた方がいいでしょう。時間は短くてもよいので、1時間取るのがムリなら30分、30分がムリなら15分でもよいので、2週間に1度ぐらいは話せる時間をつくるとよいと思います。