・「ジェネレーティブAI」
画像生成AIサービス「Stable Diffusion」が8月に公開されたり、12月の「ChatGPT」公開など、2022年後半大きな盛り上がりを見せた領域で注目しています。直近では「Lensa AI」が一気に盛り上がりを見せるなど、これまでアバターを購入することが当たり前でしたが、自分でアバターやキャラクターを創造することへのニーズがどれだけ強く、持続するのかなど注目し、日本発のグローバルサービスが出てくることを期待しています。
・「グローバルクリエイター向けツール」
AI作曲の「soundraw」や、プロフィール作成ツール「Litlink」など、プロダクトの質が高いクリエイターツールはSNSのバイラルにより一気にグローバルユーザー獲得が進んでおり、今後の展開に期待しています。
2023年のスタートアップシーンや投資環境はどのように変化すると予想しますか。
円安の背景もあり、中国や韓国、シンガポールなどの投資家マネーや、日本進出を考えるアジア企業が日本のスタートアップに投資・買収する流れも加速する可能性もあるとみています。ゲーム業界やIT企業が先行していましたが、今後は既存産業でも同様の動きがあるのではと考えます。
また円安により、価格差がさらに広がっている状況で、日本の優秀なエンジニアがグローバルスタートアップで働く機会も増えていくと感じており、国内スタートアップ、IT企業のエンジニア獲得の難易度もさらに上がると思います。
2023年に注目する・盛り上がると考える領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。
・LARK
ByteDanceが提供するコラボレーションプラットフォームです。非常に質が高く、価格優位性もあり、SlackやTeamsなど先行プレーヤーがいる中で日本にどれだけ浸透するか注目しています。中華系のBtoBのサービスが本格的に日本に進出した場合、後続もたくさん控えているはずで、国内スタートアップシーンへの影響も大きくなると思います。
・次世代型店舗・事業者
ITを前提とし、駆使した新たな事業を行うスタートアップも各領域で出てくると思います。自社でソフトウェアを構築しながら、利益率の高いモデルを構築します。ANOBAKAでもフィットネスジムやサウナ、介護領域などに投資をしており、他領域でもプレーヤーが出てくると思います。
・カーボンリムーバル
個人的な関心ではあるのですが、空気中にある二酸化炭素を吸い込み、炭素量をマイナスにするテクノロジーです。海外では多くのスタートアップが出ていますが、日本でも優秀な方が、起業する方向性としてタイミングも良いと思います。