リリースから1年ほどは「友人の友人まで」という信頼できるコミュニティの中で、副業・転職をしたい人と企業がつながるプラットフォームとして歩みを進めていたが、その後に「友人の友人」までの副業・転職意欲が見られるキャリアSNSというげんざいのかたちに落ち着いた。

友人の友人までの副業・転職意向をしることができる「YOUTRUST」のイメージ 提供:YOUTRUST
友人の友人までの副業・転職意向をしることができる「YOUTRUST」のイメージ 提供:YOUTRUST

サービス上に「タイムライン(時系列で友人の投稿が見られる欄)」を導入した結果、アクティブ率も向上した。採用媒体のアクティブ率は平均約3〜5%だが、YOUTRUSTのアクティブ率は30%を超える。

「一般的な転職・副業ののマッチングプラットフォームは転職意欲が高まったときに登録し、転職が決まったら使われなくなるのですが、YOUTRUSTはSNSなのでタイムラインがあり、『友だち申請が届きました』『友だちがタイムラインに投稿しました』という通知をフックに定期的にユーザーがログインしてくれます。それが今、大きな強みになっています」

リリースから約2年。2020年5月時点で登録ユーザー数は1万人を超え、採用目的でYOUTRUSTを活用する企業も累計200社を超えるほどの規模に成長。そのタイミングで、サービスのロゴデザインもリニューアルしている。

リリースから2年を迎え、刷新したロゴ(下) 提供:YOUTRUST

冒頭で触れたように、コロナ禍でも右肩上がりで成長しているという。なぜ、YOUTRUSTは独自の立ち位置を築けたのか。岩崎氏は人材業界の変遷を振り返りながら、こう語る。

「ビジネスSNSの『Wantedly(ウォンテッドリー)』がリリースされた2012年頃は、そもそも“求職者にスカウトが届く”という概念がなく、基本的には求職者がエントリーしにいく世界観が当たり前だった。それを『話を聞きに行ってみる』という形でライトにしたのがWantedlyの発明だったんです。その後、『ビズリーチ』が登場してスカウトが当たり前の世界になりました」

「スカウトが当たり前になった結果、今度は登録してすぐにテンプレート(定型)の長文スカウトメールが届くことに、多くの人がうんざりし始めているんです。それに対して、YOUTRUSTはあなたのことを知っている、もしくはあなたの噂を聞いている人から、仕事の依頼やオファーが来る形にしています。今はお金がだけが重要ではなく、近いコミュニティで自分が役に立ちそうな案件を何となく見たり、友達から声がかかったら喜んで話は聞いたりする時代なのかな、と思っています」(岩崎氏)

令和の女性のロールモデルになりたい

トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言したり、経団連の中西宏明会長が「終身雇用を見直す必要がある」と主張したり。さらには大企業が副業を解禁するなど、働き方は今後より一層、多様化していくだろう。