「罪悪感のないジャンクフード」をテーマにした、ヴィーガン対応のケサディーヤ

「IT×クリエイター」の可能性

また、内装とアートディレクションは小橋氏の紹介を通じて、音楽やファッションシーンで、国内外を問わず数多くのグラフィックやアートディレクションを手がけるアーティストYOSHIROTTEN(ヨシロットン)が率いるクリエイティブスタジオ「YAR」が手掛けたほか、設計は住居、店舗、オフィス空間などを手掛ける「TATO DESIGN」が担当した。

お店の空間づくりにおいて、山本氏が建築学科で培った知識が生かされたそうで、入り口で全体が分からないような設計になっている、という。

「お店に入った瞬間に全貌が分かってしまうと面白くないと思い、お店の入り口、中央、奥で全然違う雰囲気にしています。それによって、『あの部屋いった?』『トイレ見た?』とお客様同士で話す瞬間にテンションがあがり、飲まなくても酔える体験が味わえるんです。

他にもお酒は飲まないけれど、バーという空間はすごく魅力的だと思っているので、お酒を飲まない人たちがきちんと楽しめる、カフェでもなく、バーでもない場所をイメージしてお店の雰囲気をつくっていきました」(山本氏)

 

お店の立ち上げは新型コロナの感染が拡大する中で進んでいったが、特にマイナスな影響はなかった、と山本氏は言う。0%は3つの密を避けるため、事前の予約制を導入することになったが、新型コロナの影響で会食が減りお酒を飲まなくなった人や、郊外に引っ越しして車で通勤する人が増えたことで、ノンアルコールドリンクの需要も増えているようだ。実際、オープンしてから3週間経つが、連日予約のお客さんたちで賑わっている。

スマートフォンを通して、毎日たくさんの情報を浴び続けている現代において「何も考えない時間」が日常から消えていっている。だからこそ、一度心をリセットし、もっと世界にワクワクできるピュアで元気な心を取り戻す“マインドクレンズ” の時間が必要なのではないか──そんな思いから、0%は「人々の心を0(%)にする」場所として、自分の感覚に向き合うきっかけを提供していくようだ。

「今後はオンラインとオフラインが融合していく時代になると思っています。AI(人工知能)やVR(仮想現実)、AR(拡張現実)といったテクノロジーが登場しても、オフラインでしか提供できない価値は絶対にあるはずです。また、IT業界で培われる感覚とクリエイターが持っている感性が混じり合うことで生まれる新しいクリエイティブは絶対にあると思っています」