高柳氏いわく、スキマ便のユーザーの約半分は配達業者、残りの半分はネットスーパー、飲食店や小売店によるものだ。配達業者はスキマ便を利用し、不足している人員を確保できる。飲食店にはUber Eatsや出前館などデリバリーサービスを活用する手段があるが、手数料が高いというデメリットがある。スキマ便では顧客を自ら獲得できる飲食店に「配達の足」だけを提供することで、デリバリーサービスと比較して低い手数料でのサービス提供を実現しているという。

調達した資金で既存サービスに有料機能を追加

207では調達した資金をもとに、採用を強化し、各サービスの開発を進める。

個人配達員向けのTODOCUサポーターは現在無料で提供しているが、今後は有料機能を追加する。地図情報会社・ゼンリンが提供する「住宅地図」のデータを組み込むことで、マップ上に表示される建物に住む住民の苗字を表示できるようにする。

TODOCUサポーターは累計で約2000人の個人配達員が利用してきた。今後は個人配達員だけでなく、大手配達業者への導入も視野に入れる。

荷物の受取人はTODOCUアプリを使わなくてもSMSで在宅確認に対応できる。そのため利便性は低いのが現状だ。207では今後、TODOCUの顧客体験の向上に努める。

資金調達の引受先であるベガコーポレーションとは協業を進める。ベガコーポレーションは家具・インテリアの通信販売「LOWYA(ロウヤ)」を展開している。

高柳氏によると、家具の通信販売業者にとって、配達の非効率は大きな課題となっているという。家具の配達料が高額なのは、単に配達物が大きいからというだけではなく、再配達にかかるコストが大きいからだ。ベガコーポレーションとの協業では、207の持つ知見を活かし、配達オペレーションの最適化を目指す。

スキマ便は現在、渋谷区・目黒区など、東京都内を中心に展開している。調達した資金をもとに、今後は全国展開を目指して開発を進める。

物流自動化の時代に向けてデータを蓄積

現在は配達業務の効率化に専念している207だが、今後は配達業務で得たデータを用いたビジネスの展開も視野に入れる。個人配達員が多い配達業界では、配達ルートや、受取人の在宅時間などといったデータが属人的に管理されている。今後はTODOCUサポーターとTODOCUで蓄積したデータを活用して、更なるサービスの開発を目指す。

207では10年後、物流のラストワンマイルがロボットやドローンによって自動化されると予測している。物流が自動化される時代に向けて、各サービスの提供を通じて、必要なデータを用意している段階だ。