開発中のSaaSのクライアント画面では、バナーやLPの組み合わせでパフォーマンスを可視化。問題の出ているクリエイティブについては、どの部分にデザイン的な課題があるのかも指摘する。また、デザインをデータで因数分解して、色や文字のバランス、写真の有無など、次の制作の改善のための仮説を立てることも可能だ。

SaaSからデザインの改善を始めて、AIR Designシリーズを利用してもらった顧客に、さらに続けてもらうための施策として、中平氏はチラシやダイレクトメールといった、オフラインのマーケティングにかかわるクリエイティブにもラインアップを拡充することを目論んでいる。

「紙のデザインにも間違いなくニーズはある。ここに関しては、他社と共同で研究開発を行っています。チラシのデザイン、印刷から、配送、効果測定を行い、またデザインへフィードバックするという仕組みを作ろうと考えています」(中平氏)

中平氏は今後、オンライン、オフラインでの集客のほか、メールやLINE、アプリといった、いったん顧客になった人をフォローするCRM領域にも踏み出したいと語っている。

「マーケティングファネルのクリエイティブを全方位で押さえて、マーケティングにかかわるデザインのデータをどんどん蓄積していきます。さらにもっと先では、マーケティングデータから、商品の何が顧客に『刺さる』のか、どういう訴求が当たるのかが分かり始める。すると、商品開発まで遡れるのではないかと考えています。そうなれば新商品開発の段階で、これまでのマーケティングのクリエイティブデータが必ず欲しくなるはず。そこまで行ければ、このプロダクトの対象とする市場はもっと大きくなると期待しています」(中平氏)