「1社だけでなく、導入各社でCVR改善を再現できている」(中平氏)というAIR Design for LP。「顧客から見れば何もしなくても、ただチェックするだけで最適なLPを複数パターン、毎月毎月受け取ることができるというサービス」と中平氏は述べている。

サブスクリプション型で提供されるサービスの料金は、月1本程度のLP提供を想定したライトプランで月額30万円、2本のLPでA/Bテスト実施を想定したスタンダードプランで月額50万円だ。

AIR Design for LPは2019年9月の提供開始から、10カ月で導入企業が100社を超えた。クライアントは美容・健康食品のほか、通信や金融・保険、人材やB2B SaaSなど幅広い。また、LPに加えて2020年6月にはバナーデザインのAIR Design for BANNERをリリース。こちらも現在、60社ほどの利用があるという。そして9月1日には、広告動画制作のAIR Ad Movieもシリーズに加わることとなった。

AIR Ad Movieでは3万点以上の動画広告データをAIが分析。動画制作においても効果予測と試作、制作を高速・大量に行うことで、制作時間の短縮とコストの低減を実現。A/Bテストもより容易に行えるようにすることを目指している。

AIR Designシリーズの競合は大きく「クラウドソーシング型」と「AI・工業型」の2種類に分かれると中平氏はいう。そのうち、クリエイターをマッチングしてデザインを供給するクラウドソーシング型については、「マッチングのプラットフォーマーとしてサービスが展開されており、クオリティーコントロールの概念はそれほど強くない」と中平氏は見ている。

「僕らは製造業上がりなので、『工場』を作っていると思ってるんですよね。今まで手織りだったところへ、自動織機を持ち込んだ豊田自動織機のように、我々は、手作業でやっていたデザインを、機織り機を作って自動化するというのを体現している。そこはクラウドソーシング型とは違うかなと思っています」(中平氏)

AI・工業型ではサイバーエージェントの「極予測AI」などがAIR Design for BANNERと近いプロダクトだと見ているとのこと。ただ、極予測AIは既存クリエイティブよりもAIによる効果予測値が上回ったクリエイティブのみを成果報酬型で納品するのに対し、AIR Designは高速・大量に試作を行い、スコアの高いものを選んで、最後は人が調整して納品する点が異なる、と中平氏は説明する。