デザイン改善効果を可視化するSaaS開発、オフライン領域進出も

2019年10月ごろからメンバーも増え、現在は80人規模となったガラパゴス。2020年4月には、みずほキャピタル、アコード・ベンチャーズ、アーキタイプベンチャーズ、GA3号投資組合/GA4号投資組合(グローブアドバイザーズ)、G-STARTUPファンド(グロービス・キャピタル・パートナーズ)、三生キャピタルを引受先とし、プレシリーズAラウンドで総額2億2300万円の資金調達を実施している。

調達資金の使途の方向性は大きく2つ。1点目はプロダクトのラインアップを増やすことだ。

AIR Designシリーズ全体像
AIR Designシリーズ全体像 画像提供:ガラパゴス

「クライアントの立場に立てば、ある商品を1つ広告で売ろうと思ったときに、結局はCPAを見ている。つまりCTRとCVRを両方改善したいというのがニーズです。そうするとLPからコンバージョンが得られたら、次は(CTRを上げるために)バナーもやってほしい、バナーで限界が来たら動画もやってほしい、となります。そうしてCTRを上げてみると、今度はCVRが下がってきたのでLPも改善しよう、とつながっていく。こうしてバナー、動画、LPの中でグルグルと改善サイクルが回せる状況を作るために、今回の調達資金でLPに加えて、バナー、動画制作のプロダクトリリースを実現しました」(中平氏)

もう1点は、これらのプロダクトによる改善効果をクライアントが見ることのできるSaaS製品の開発だ。

「バナーや動画の改善をしたときに、どれが良くてどれが悪いのか、どう改善すればいいのか、過去にどういうパターンが良かったのか。それを見られる状態をクライアントは欲しがっています」(中平氏)

中平氏は「僕が考えるクリエイティブ視点での改善サイクルは、お医者さんと同じで、診断から特定、解析、治療があって、再診して予後を見るというサイクルがクリエイティブにもあると思っています」と話している。

AIR Designシリーズの改善サイクル
AIR Designシリーズの改善サイクル 画像提供:ガラパゴス

「CPAが高くなってきたとして、どの部分が悪いのかを特定し、バナーのCTRが悪いのだとしたらバナーを画像解析して改善の計画を人間が立て、過去のクリエイティブパターンから最適なデザインを予測、試作、制作して、広告を配信し、また集計して診断するというサイクルが、今は誰もできていないし、その仕組みもない。これができればクライアントもうれしいし、僕らもデータが集まるので、同じようなサービスの参入障壁になります。予測はデータがいかに集まるかが勝負なので、SaaS展開が次の戦略かなと僕らは考えています」(中平氏)