そのための資金として、レキピオでは下記の投資家を引受先とする第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資により総額1.7億円の資金調達も実施している。

  • UB Ventures
  • マネックスベンチャーズ
  • サイバーエージェント・キャピタル
  • FGN ABBALab
  • F Ventures
  • 赤坂優氏
  • 中川綾太郎氏
  • 吉田浩一郎氏

アプリで注文、30分以内に届くデリバリー特化コンビニ

QuickGetのアプリ画面
QuickGetのアプリ画面

コンビニの定番ともいえるお弁当やおにぎりを始め、ジュースやコーヒー、缶ビールなどの食料品からトレイットペーパーやシャンプー、充電器などの日用品までQuickGetにはさまざまな商品が並ぶ。

コンビニという言葉を使ってはいるものの、高級スーパーが扱うような本格的なワインや調味料、ディスカウントストアに並ぶ調理器具やパーティーグッズなどもこのサービスを使えば簡単に手に入る。

平塚氏がサービスを設計する上でこだわったのが「今欲しいものがすぐに自宅に届き、しかも店舗と同等の価格で購入できる」こと。そのために六本木に自社倉庫を構え、自ら商品を仕入れて在庫も抱える。

商品ごとに多少のばらつきはあるものの、おおむね店舗で購入する場合と同等の価格帯を実現できているそう。サービスの利用料金はトータルの商品代金に配送料として250円が加算される形だ。

配送も六本木拠点から原付を使って自社で行う。周辺領域のバイク基準の配送ルートの知見がたまってきたこともあり、最適なルートを組むことで今のところ98%の注文を30分以内で配達できている。

またデリバリー専業にすることで来店対応をなくし、固定費の削減と床面積効率のアップを実現。コンビニ数十店舗分の商圏を1拠点でカバーすることで、しっかりとビジネスとしても成立しうるモデルを作り上げてきた。

「1番大きいのはデータに基づいてリーンなMD(マーチャンダイジング)ができること。店舗のPOSシステムでは『何が』『いつ』『何個』売れたのかという購入データと店員の主観的判断による性別・年代などの属性データしか取れませんが、QuickGetでは『誰が』にあたるユーザー情報と購入データをひもづけることが可能です。詳細な顧客属性や購買サイクルなどのデータから、そのエリアに最適化する形で商品の仕入れや陳列を柔軟にカスタマイズできるのが強みだと考えています」(平塚氏)

六本木に自社倉庫を設け、ここからほぼ全ての商品を配送する。なお現在も一部の商品は「配送代行」という形で市販のものを購入し届けているという
六本木に自社倉庫を設け、ここからほぼ全ての商品を配送する。なお現在も一部の商品は「買い物代行」という形で市販のものを購入し届けているという

ベータ版は港区と渋谷区の一部エリアで展開していたこともあり、経営者層や小さな子供のいる主婦層、若いビジネスパーソン、夜間の労働者など幅広い層に利用されている。

2リットルの飲み物など重たい商品や弁当類に加え、食パンや牛乳など普遍的なニーズのあるもの、コンビニにはないようなお酒や健康食品などが人気商品。中には1カ月に数十万円を使うヘビーユーザーもいるそうだ。