「定期的に使ってくれている方達からは『自宅からコンビニに行くことがなくなった』という声をよく聞きます。自分で近くの店舗へ買い物に行くことを考えると、支度の時間を入れれば長くて数十分はかかる。(配送料はかかるものの)その手間がなくなって、自由に使える時間が増えることを考えれば安いと言っていただけることが多いです。また扱っている商品が多く、飲み物やお菓子などもまとめて変えるため『Uber Eatsを使う機会が減った』という方も一部ではいらっしゃいます」(平塚氏)
QuickGetでは本日から対象エリアを拡大していて、新たに恵比寿、神宮前、代官山、白金エリアなどでも使えるようになった。
レシピアプリからデジタルコンビニへのピボットを決めた理由
レキピオは2017年9月の設立。当時同志社大学に在学していた平塚氏ら数名の学生が共同で立ち上げたスタートアップだ。もともとは冷蔵庫の中にある食材に合ったレシピを提案してくれるアプリ「Recipio(レキピオ)」を展開していたが、そこからピボットをする形で昨年QuickGetを始めた。
「自分が東京に来て間もなかったころ、欲しいものがどのお店で売っているかわからなかったんです。ネットで調べて店舗に実際に行ってみると、店頭には置いてなかったりもする。その落胆をなくすために、『どの店舗にどんな商品が置いてあるのかがわかるサービス』があれば便利だと思ったのが最初です」(平塚氏)
せっかくなら、その商品がボタン1つで自宅に届いた方がユーザーにとって利便性がいいのではないか。当時日本でもUber Eatsが市民権を獲得し始めていたことに加え、世界的にもオフラインとオンラインを融合したOMO(Online Merges with Offline)の波が広がっていたこともあり、デリバリーモデルの次世代コンビニサービスにチャレンジすることを決めた。
もっとも、Recipioを運営していた頃から平塚氏の中には生鮮ECに取り組む構想があった。その時はレシピに足りない食材を届ける機能としてイメージしていたが、アイデアを整理するうちに「生鮮食品だけでなく欲しいものを全部運んでくれる方が便利だし、ビジネスとしても大きな可能性があるのではないか」と考えるようになったという。
また、同世代の起業家の活躍も平塚氏に大きな影響を与えた。特に以前から親しかったという小川嶺氏が代表を務めるタイミーは2018年8月にスキマバイトアプリをローンチ。そこから一気に事業を拡大するとともに、2019年10月には20億円の資金調達を実施している。