仲間とすぐに繋がる「声のバーチャルオフィス」
ラウンズ代表取締役の合田翔吾氏が「声のバーチャルオフィス」と表現するように、roundzはボイスチャットを軸に同僚と会話ができるリモートワーク用のツールだ。
特徴はトランシーバーのような感覚でキーボードを押すだけで仲間とすぐに話せること。roundz上には役員用オフィスや会議室といった「ルーム」を開設でき、同じルームに入っているメンバーとリアルタイムでボイスチャットが繋がる。「話しかけてOK」「通話NG(相手には声が届かない)」「退席中」など各メンバーの状況は、それぞれのアイコンに色で示される。
音声のみの通話にはなるものの、ワンクリックで画面とマウスの動きを共有する機能も搭載。全員で同じ資料を見ながら指さしで会話することも可能だ。
合田氏はroundzの開発において「心理的なハードルと会話を始めるためのハードルの両方を下げること」を意識しているとし、実際にその点が顧客からも評価されているという。
特にプライバシーに配慮し、管理者が承認したユーザーのみが参加できるように設計。カメラを使わないため顔や部屋の様子が表示されず、化粧や背景を気にしなくても済む。またキーを押している時にだけ通話状態とすることで(普段はミュート)、小さい子どもが側にいる状況などでも使いやすいようにした。
「単にプライバシーを守りたいというよりも、心理的に安全な環境を整えるという観点からプライバシーに配慮して開発しています。その状態が担保されるからこそ、会話も円滑に進むと思うんです」(合田氏)
プロダクトのUIについては「仕事を進める上で邪魔にならないこと」も重視した。縦に細長いデザインのroundzは他の画面を開いて作業している時でも常に表示させておくことができるため、会話をするためにわざわざ画面を切り替える必要がない。話したいと思った時にすぐ話し始められるUIにすることで、会話の簡単さを実現した。
2019年10月にベータ版を公開し、アップデートを重ねた上で今年の9月に正式版の提供をスタート。現在はユーザー数に応じた従量課金制(1ユーザーあたり月額980円〜、複数プランを提供)を採っていて、累計200社以上にサービスを提供してきた。
「テレワークを運用していく中で、徐々にコミュニケーション面の課題が浮き彫りになり導入に至るというケースも多いです。コロナ禍において急いで制度を取り入れたような企業では、特に課題が現れやすい。(roundzであれば)まずは今までオフィスでやってきたようなコミュニケーションをオンライン上で維持しつつ、徐々にテレワークに合わせた環境を構築していくこともできます」(合田氏)