エンタメのオンラインシフト

リアルイベントが難しくなったコロナ禍において、オンライン上でコミュニケーションしながら楽しむエンタメサービスが順調に成長しています。スマホゲーム専用ボイスチャットサービスのパラレルや、アバターでカラオケ配信ができるtopiaの滞在時間が大きく伸びました。またVtuber事務所Re:actを運営するmikaiやHADOを運営するmeleapについてはリアルイベント中止の影響で一時的にダメージを受けましたが、オンライン配信で投げ銭によるマネタイズに舵を切って盛り返してきています。

コロナ禍という緊急事態で暗い話題が多く我慢を強いられる状況において、奢侈品やエンターテインメントで心を満たすこと、オンラインで誰かと繋がることの価値が再確認できたと感じています。

あらゆる産業のデジタル化は不可逆なトレンド

2020年は、今まで暗黙の了解として受け入れられていた価値観が大きく覆された1年だったと思います。オフィスへの定時出社は全員必須、打ち合わせは対面という原則が真逆に振れ、巨大かつ安定していると思われていた産業や大企業ですら危機に晒されています。そんな状況で迎える2021年は以下のようなトレンドが加速していくと考えています。

働き方の多様化

「大企業=安泰」という図式が幻想であることが分かった今、1つの会社に定年までお世話になる、という感覚での働き方が衰退していくでしょう。自分の身は自分で守る、変化への対応力が大事だという考え方が広がると思います。正社員という立場は相対的に価値を下げ、自分の腕で稼ぐ個人事業主や副業という働き方がより注目を浴びることになると思います。既存投資先では、フリーランス美容師をエンパワーするGO TODAY SHAiRE SALONや、副業・転職のキャリアSNSを提供するYOUTRUSTはこのトレンドの中心に位置していると考えており、2021年の飛躍的な成長を期待しています。

自分や家族のための消費

同調圧力的な自粛ムードで行動範囲も限定的にならざるを得ない状況が続くと、自己顕示欲や承認欲求を満たすための消費が減り、自分や家族に向き合う時間が増えるため、そのための消費が増えていくと考えられます。既存投資先では、歯科矯正のDPEARLを提供するフィルダクト、美容医療の口コミ・予約のトリビュー、女性向けヘルスケアブランドILLUMINATEを提供するKOHKOH、食事面から健康サポートを行うGRITがこのテーマに該当します。また、今や家族の一員であるペットに対する消費・投資も同様に進むと考えられ、首輪型IoTデバイスで愛猫の行動や健康を見守るCatlogの普及にも期待しています。