偏差値35から東大合格を果たした現役東大生の西岡壱誠氏によると、頭がいい人の「ノートやメモの取り方」には共通点があり、それを真似することで、誰でも質のいいインプットやアウトプットができるようになるといいます。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「東大生のノートの特徴」について話を聞きました。

東大生がノートをとるときの1つの特徴Photo: Adobe Stock

東大生のノートの特徴

東大生のノートの特徴の一つに、問いから始めるノートが多いというものがあります。

Q=クエスチョン」と「A=アンサー」を多用して、いろんな情報を問い形式でまとめている場合が多いのです。


例えば、「日露戦争の講和条約であるポーツマス条約でロシアから賠償金を取ることができず、それを不服として日比谷焼き討ち事件が起こった」ということを先生が説明したとして、みなさんはどうノートにまとめますか?東大生は、こんな風にまとめます。

「Q なぜ、日比谷焼き討ち事件は発生したのか」
「A 日露戦争の講和条約であるポーツマス条約でロシアから賠償金を取ることができなかったから」

このように、記述で答える論述問題を作って、その答えを書くようにノートを書いていくことで、情報を「問い」の形式に変換しているのです。

また例えば、教科書にただ「パリ万国博覧会はこういうイベントだった」と書いてあったとしたら、「Q パリ万国博覧会とは何か」「A ナポレオン3世の元で〜」と、説明の問題とその答えを作るように整理し直すのです。

ただ情報を列挙するのではなく、質問の形式のノートに変換し直すことで、覚えやすくしているというわけですね。

なぜ「質問形式」なのか?

ではなぜ、このようなノートを東大生が取っているのか?

1つは単純に、テストで問われても答えられるようにするためです。当たり前ですが、テストは質問に対して答えを作るような形式で出題されますよね。教科書や先生の話をただ丸暗記しても意味がなくて、その情報を問いが出されたときに答えられるように自分の中で整理しておかないとうまくいかないわけですね。

だからこそ、このような「問い」と「答え」のノートを作っておけば、テスト本番でも答えが作りやすくなるわけです。

さらに、あとから復習するときにもこのノートは非常に効力を発揮すると言えるでしょう。「問い」と「答え」が整理されているので、「問いの答えを考えよう」と考えながらノートを復習することができますよね。

「えーと、パリ万国博覧会とは、こういうイベントなんだな」とただ目で追って覚えようとするだけでなく、「『Q パリ万国博覧会とは何か』、か。どんな答えが考えられるだろう?」と、きちんと答えを考えようとしますよね。

ただノートを眺めているだけでは、見ているだけで、あまり覚えられないことがあります。ですが、このように問題を解こうとすると、しっかり頭を使うことになりますよね。この、頭を使って復習する感覚を持つことで、大きな学習効果が期待できるわけですね。

このように、「問い」を使ったノートを作ることには大きな意義があります。ぜひみなさん実践してみてください!