「頭がごちゃごちゃして、うまくまとまらない」「何かとすぐ忘れてしまう」……。仕事や勉強をするなかで、そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
1000人以上の東大生のノートを分析してきた現役東大生の西岡壱誠氏によると、それらは「ノート」で解決できるといいます。
東大生は、「あとから見返す目的」でノートを取りません。ノートは、授業後に情報を整理し、理解するために取っています。そのような取り方をしているから、東大生は頭がよく、逆に言えばノートの取り方次第でだれでも頭がいい人になれるのです。
本記事では、『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「頭がいい人が使うノートのルール」について話を聞きました。
東大生は、そのまま板書しない
今回は、東大生300人以上にアンケートを取って見えてきた、「メモやノートを作るときの東大生ならではのルール」をみなさんにご紹介したいと思います。
『「思考」が整う東大ノート。』を執筆するにあたって、僕は多くの東大生に話を聞きました。その中で、東大生はメモやノートを作るときに、「ある条件」を自分に課している場合が多いということが分かったのです。
それは、「コピーアンドペーストしない」というものです。
一般的に、メモやノートを書く作業というのは、先生が言ったことや黒板に書いてあるものをそのまま書き写す場合が多いと思います。「1855年には、パリ万国博覧会が行われたんだぞ」と言われたら、そのまま「1855年に、パリ万国博覧会が行われた」と書き写すと思います。
しかし、東大生の多くは、聞いたり読んだりした言葉をそのままコピーアンドペーストで書き写すことはしません。少し言い換えて、「1855年 パリ万国博覧会 開催」のように、先生の言葉や教科書の文言を違う言い回しで書くのです。
自分の頭を経由させることで、情報が身につく
「なんでそんな面倒なことをするの?」と思う人が多いと思いますが、これには深いわけがあります。こうやって自分なりの言葉で言い換えると、自分の頭を経由させて情報を書き起こすことができるのです。
情報は、そのままだとただの文字列です。そしてその情報をただ書き写すということは、まったく自分の頭を経由しない行為になってしまいます。何も考えなくても、ただ書き写せてしまうわけです。