答えのない時代に、メモが最強の武器になるーー。
そう言い切るのは日本一ノートを売る会社コクヨで働く下地寛也氏だ。トップ社員である彼自身が、コクヨ社内はもちろん、社外でも最前線で働くクリエイターやビジネスマンにインタビューを重ねてきた。そこから見えてきたことは、
◆トップクラスの人達は、メモを取り続けていること
◆そして、頭の中で考えるのではなく、書きながら考えていること
だった。
この連載では、『考える人のメモの技術』の著者である下地氏が、実際に集めたメモをベースに、あらゆる問題解決に効くメモ術を紹介していく。
メモの取り方に悩んでいる人は多い
私はコクヨ社員として働きながら、メモのとり方について、これまで様々な人にヒアリングしてきましたが、意外と悩んでいる人が多いです。
コクヨの中でも「それなりに工夫はしているが、もっと良いやり方があれば教えてほしい」という人もたくさんいました。
1冊にまとめる方がいいのか、ノートはどういったものが適当かなど、「ケースバイケース」と言ってしまえばそれまでなのですが、何か上手く理解する方法がないかとずっと考えていたのです。
メモの使い道は3種類
そんなある日、ふとメモのしかたはメモの使い道によって違うのではないかと思いつきました。
「でも、メモの使い道っていくつあるんだろう?」と考えたところ、大きく分けて次の3つという結論にたどり着きました。
①記録のためのメモ
「会議の内容」「上司の言うこと」などをメモする備忘録としてのメモです。
解釈のズレやミスをなくすためにメモしています。
②インプットのためのメモ
「本やセミナーの内容」「参考になる出来事」などのメモ。情報を自分の知見にするためのインプットとしてのメモです。
③アウトプットのためのメモ
「企画を考える」「状況を整理、分析する」などのためのメモ。
情報を整理し、発想・創造するための書きながら考えるアウトプットとしてのメモです。
もちろん、それぞれの用途が交ざってメモすることもありますが、この3つが主な用途でしょう。
インプットメモとアウトプットメモを使い分ける
このうち大人にとって大切なのは「インプットメモ」と「アウトプットメモ」です。この2つの間を上手く行き来しながら、自分らしい考えをつくっていくことが重要になります。
インプットメモは自分の情報感度に引っかかる情報をすくい上げる。そこから気づきを得て、アウトプットに使うヒントをストックする。
もしくは自分の考え方をアップデートするのが主な目的です。
アウトプットメモは、テーマや前提条件などを書き出し、自分の考えや知見をミックスしながら課題の本質は何かを探り、新たな考えを組み立てることが主な目的です。
皆さんも、この2つのメモを使い分けを意識してみてはいかがでしょうか。
『考える人のメモの技術』では、今日から使えるメモの技術をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、下地寛也著『考える人のメモの技術』から一部抜粋・改変したものです)