家を買う時の税金「2024年に改悪」されること&対策を総まとめ【元国税専門官が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

家を買うときには、さまざまな税金の問題が絡んでくる。しかも、2024年に入ると、複数の税制優遇措置の改悪や廃止が予定されており、税負担が増えるおそれがある。こうした動向を踏まえ、今できる現実的な対策を元国税専門官でライターの筆者が解説する。(元国税専門官 小林義崇)

家を買う人に対する“増税”が相次ぐ

 自宅を買うとき、税制優遇措置を活用することで大きな節税ができる可能性があります。しかし、近年は住宅関連の税制優遇措置が大きく変化しており、増税の方向に動いています。

 まずは、10年以上の住宅ローンを組んで新居を取得したときに使える「住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)」について見てみましょう。こちらは年末時点の住宅ローン残高などに応じて税額を減らしてくれる制度なのですが、その節税効果が年々落ちています。

 たとえば「省エネ基準適合住宅」に該当する新居を取得した場合、最長13年間にわたり住宅ローン減税を受けられるのですが、入居年の違いによってトータルの節税効果に200万円以上の差が出てきます。

 住宅取得に絡む税制優遇措置の改悪はこれにとどまりません。

 住宅取得のために資金贈与を受けたときの贈与税の特例(住宅取得資金贈与の特例)も年々縮小傾向が続き、ついに2023年末をもって廃止となることが決定しているのです。

 このような税制優遇措置の縮小は増税と同義で、家計の圧迫に直結します。ただ、2024年以降も税制優遇措置の仕組みを理解し、うまく活用すれば節税することは可能です。

 そこで今回は、2024年以降に新居を買おうと考えている人に向けて税制優遇措置の基本的な仕組みや活用法を解説します。