人を巻き込んで一緒に成長することが継続のカギ

──『神ふせん』にしても、『アウトプット大全』にしても、継続しなければ効果を発揮しませんよね。続けるコツは?

坂下 いつでもどこでも、即メモできるような環境を整えることです。「あとでメモしておこう」は絶対に忘れますから。私は思いついたことをすぐに書けるよう、スマホケースにふせんとボールペンをセットで格納しています。スマホはいつでも持ち歩いているから、忘れなくて済みますよね。

 ベッドの中で思いつくこともあるので、枕元にはスマホ用の充電器とLEDライトを備え付けて、ふせんと一緒に置いています。お風呂場には、フィルムふせんを置いています。そんな感じに、とにかく思いついた瞬間にメモできる環境だけは作っておくことが大切です。

樺沢 そうですね。私も情報カードの束をいろいろなところに置いておきます。それから私の場合はSNSの活用も継続のポイントだと考えています。例えば、映画や本の感想をXなどに投稿する。そうすると他の人に読んでもらえるので、いいねやコメントが付き、モチベーションが上がり、継続しようという気になります。何かを続けたい時に1人でやるのは難しいので、SNSを通じて他人と共有することはいい方法だと思います。

坂下 私は何かを続けるのが本当に苦手で、これまでたくさんのことに挑戦しては中途半端に終わっていました。しかし唯一「ふせん」に書くことは、2005年頃から始めて既に20年近く続いています。ノートに書こうとすると、どこに何を書くか考えすぎてしまうのに対し、ふせんは小さくて手軽で、2、3行にまとめる必要があるので端的に書けるのがいいと思っています。

 また、樺沢さんのおっしゃるように他の人と一緒に何かをすることも継続のカギで、私の主催する「お金のソムリエ協会」ではみんながSNSで毎日の成果を共有しています。特に意志の弱い人にとっては、みんなと一緒にやることが効果的です。

樺沢 そうですね。お金のソムリエ協会はどんな集まりなんですか?

坂下 「お金とは貢献して初めていただける感謝の気持ちだと信じています」「貢献のみが裕福への王道」といった信条があり、その価値観を理解して、実践してくれる人だけが入れるコミュニティです。

 そういう価値観を理解したうえで入会しているので、お互いに人生の目標とか、お金に関する悩みとか、人に言いづらいことも安心して自己開示できるんです。そしていろいろなアドバイスをしあうことで、一緒に成長しようとしています。

樺沢 自分1人よりも、人と一緒の方が成長は早いですよね。