咳だけが8週間以上治らないのは「咳ぜんそく」?放置すると「ぜんそく」に移行も【症状チェックリスト】『手術数でわかるいい病院 2023』
朝日新聞出版(編集)
定価1,320円
(朝日新聞出版)

 では、コントロールがうまくいかないとどうなるのでしょうか。

 咳ぜんそくは名前にもあるように、「ぜんそく」にきわめてよく似た病気です。ぜんそくでは気道の炎症は咳ぜんそくよりも重症で、気管支の内径が小さくなって、空気の通り道が狭くなっています。そのため、咳ぜんそくではみられない息苦しさや喘鳴が表れます。咳ぜんそくを放置したり、治療を中断してしまったりすると、なかにはぜんそくに移行するケースもあります。

「8週間以上咳が続くことが診断の目安となっていますが、患者さんはどれくらいの期間続いているか思い出せないことも多いでしょう。一定期間、咳に悩まされ、自然によくなる傾向がなければ、まずは内科などのかかりつけ医に相談することをおすすめします」(新実医師)

(取材・文/別所文)

【取材した医師】
名古屋市立大学医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学分野教授 新実彰男(にいみ・あきお)医師


1985年 京都大学医学部卒。英国インペリアル・カレッジ・ロンドン留学、京都大学大学院呼吸器内科学准教授などを経て、2012年名古屋市立大学大学院腫瘍・免疫内科学教授、14年から現職。22年からは同大病院副病院長も兼任。専門は呼吸器内科学、アレルギー学。「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」「喘息予防・管理ガイドライン2021」などの作成に携わる。日本内科学会理事、日本呼吸器学会理事、日本咳嗽学会理事長。
咳だけが8週間以上治らないのは「咳ぜんそく」?放置すると「ぜんそく」に移行も【症状チェックリスト】名古屋市立大学医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学分野教授 新実彰男医師
名古屋市立大学病院 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

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AERA dot.より転載