大手への浸透と同時に、ストレスチェック義務化の対象外となる従業員50人以下の事業所やスタートアップにも、ラフールサーベイの導入は進んでいるという。

「スタートアップにとって、採用コストの比率は高く、入社した人のエンゲージメントを高めることは重要だ。社員のメンタルヘルスを見える化できること、社員にとっての福利厚生の一環としてアピールできることが、エンジニアなどの職種の採用にも効果的だと受け入れられたようだ」(結城氏)

「メンタルを健康に保つことがカッコいい時代」になる

 エンゲージメント測定・向上のためのツールは、「組織改善プラットフォーム」として他社からも多く提供されており、ラフールでも多数のツールを取り入れているとのこと。「ツールをどう使えば役に立つか、知見を得るため。我々の事業との棲み分けのためにも有効だから」と結城氏はいう。

「ラフールサーベイでは、エンゲージメントに加えてメンタル・フィジカルの健康状態や職場環境を掛け合わせて調べることで、プレゼンティズムを可視化している。企業文化への共感や働きがいと、生産性とはニアリーイコールだが、ちょっと違うもの。健康に働けているかという軸も取り入れないと、生産性は測れない」(結城氏)

 ラフールサーベイはこうした特性から、「ストレスチェック機能が内包されていて、義務化にも対応できる、エンゲージメント分析ツール」として評価されている、と結城氏。ラフールでは、ラフールサーベイを主力プロダクトと位置付け、職場のメンタルヘルスの状況や生産性を見える化する機能を入口として、ワンストップで従業員のためのメンタルヘルスケア支援サービスを提供する、プラットフォームとしての展開を図っている。

「リリース当初はプレゼンティズムの可視化・対策へのニーズが9割を占めていたが、分析や解析へのニーズの比率が上がっている。これらをラフールの強みとして残しつつ、研修などのサービスの比率も5%から10%に広げていきたい」(結城氏)

 また、Fitbitなどの活動量計やマインドフルネス研修をスリープテックに取り入れて、睡眠の質を向上するプログラムなどにも注目しているという。

 ラフールの中長期の展望については、結城氏はこう語る。

「30年後の世界がどうなっているかというと、100億人の人口に対して、AIも100億体いる時代になっているはず。これは当社のAI監修を依頼する松原博士(はこだて未来大学副理事長・教授の松原仁氏)の言葉だが『人類とAIが共存できないのは、悪いシナリオ。そのためにはAIが道徳心を学ぶのがよい』という話がある。我々がやろうとしているのは、メンタルデータの蓄積によって、AIロボットにも心を持たせることができるのではないか、ということ。AIはIQで言えば1万といった数値も実現できるが、わざとストレスをかける問題を与え続けるとバグることもわかっている。今後ますます繊細になっていくAIを、人間のメンタルデータを使って改善していく、ロボットの会社になれるんじゃないかという構想を持っている」(結城氏)