GMSは、フィリピンだけでも12の支店を持っており、現地のマネジャーは20代の若手社員が務める。彼らが地道に現地の人々とコミュニケーションを取り、地域に密着しているのだ。
「最初は時間がかかりましたが、今は現地へ出向いてから約3ヵ月で事業化まで漕ぎつけるスピード感です。月に1回、各国のマネジャーが日本に集まり、役員会を実施しています。現地での経営は孤独なので、あえて直接顔を合わせるようにしています」(中島氏)
事業がそのままSDGsに
SDGs(持続可能な開発目標)がバズワードと化し、浸透してきてはいるものの、本気で貧困を無くす取り組みをできている日系企業はまだまだ少ない。多くの企業はCSR(企業の社会的責任)の文脈でしかなく、例えば事業の中核として貧困問題の解決を目標に掲げているわけではないからだ。
「GMSは、貧困問題を解決することがそのまま事業の成功になります。2030年までに世界で1億人にファイナンスの機会を提供することを目標に、貧困層を中間層に引き上げていきたい」(中島氏)
戦略に長けたGMSが取り組む本気のSDGs、今後さらに盛り上がりを見せそうだ。