Nordgreen共同創業者でCEOのバジリ・ブラント氏(左)とパスカー・シバム氏(右)Nordgreen共同創業者でCEOのバジリ・ブラント氏(左)とパスカー・シバム氏(右)

2017年にデンマークで誕生した時計ブランド「Nordgreen(ノードグリーン)」が、日本市場での売り上げを急拡大している。同社の特徴は、北欧らしいユニセックスなデザインとサステナビリティ(社会や環境の持続可能性)を追求する方針。次世代に受け継がれる、北欧ブランドのパイオニアへ――壮大なビジョンを掲げてブランドを立ち上げたのは、共にミレニアル世代のバジリ・ブラント氏とパスカー・シバム氏。ヒットの要因を求めて、コペンハーゲンのオフィスを訪ねた。(フリーライター 小林香織)

 北欧のアイデンティティが色濃く反映された時計ブランド「Nordgreen(ノードグリーン)」。チーフデザイナーは、世界的家具ブランド「Cappellini(カッペリーニ)」や「MOROSO(モローゾ)」などをクライアントに持つ、デンマーク出身のヤコブ・ワグナー氏が務める。

 シンプルで洗練された北欧デザインの時計は、2万円~と手に取りやすい価格帯に設定。世界100カ国以上でオンライン販売しており、2019年の売り上げ見込みは450万ドル(約4.9億円)に上る。意外なのは、そのうち約40%を日本市場が占めていることだ。

ミニマリズムを体現した北欧デザインの時計

Nordgreenの腕時計 Photo by K.K.Nordgreenの腕時計 Photo by K.K.

 Nordgreenが日本でヒットしている最大の要因は、ヤコブ氏によるシンプルで飽きのこないデザインにある。共同創業者のバジリ氏とパスカー氏は、そう分析する。

バランスを意識してデザインされた「Native」 画像提供:Nordgreenバランスを意識してデザインされた「Native」 写真提供:Nordgreen

「本格的に参入する前から、日本を含めたアジア市場に大きな期待を寄せていました。古くからものづくり文化が根付く日本と、余計な要素を削ぎ落とし、美しさと心地よさを追求する北欧では、デザインの哲学が一致していると考えたからです。実際、日本のお客様からデザインに対する好意的なコメントを多くいただいています」(バジリ氏)