2位も900万円超え
4位は大手電気機器メーカー
2位は、三重県松阪市に本社を置く、三十三フィナンシャルグループ(FG)だった。平均年収は930.0万円だ。従業員数は62人、平均年齢は52.6歳。なお、22年は994.7万円で、64.7万円のダウンとなった。
同社は18年に設立され、三重銀行と第三銀行が経営統合して「三十三銀行」となったことで誕生した金融持ち株会社である。子会社の三十三銀行や三十三リースなどを含めた全体の従業員数は2530人となっている。三十三フィナンシャルグループの社員は、三十三銀行からの出向者だ。
3位は、京都府で半導体製造装置を手掛けるSCREENホールディングスで、平均年収は923.5万円。従業員数は414人、平均年齢は41.9歳だった。5G(第5世代移動通信システム)やAIの活用拡大を受けて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展やパワー半導体などへの投資が底堅く推移したことにより、23年3月期は増収増益となっている。
4位は大手電気機器メーカーのオムロンで、平均年収は898.7万円。従業員数は4621人で、平均年齢は45.5歳だ。23年3月期の売上高は8761億円、営業利益は1007億円で、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。
5位はバイオ医薬品の開発を行っている医薬品メーカーのJCRファーマで、平均年収は881.8万円だった。従業員数は854人、平均年齢は40.7歳。英アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスワクチンの原液を受託製造する契約が終了したことなどにより、23年3月期の業績は売上高343億円(前期比32.8%減)、営業利益50億円(同75.0%減)、当期純利益38億円(同74.0%減)と、減収減益だった。
さて、最後になったが、本ランキングで20人未満の企業を除外したのは、このランキングには持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混在しているという「癖」があるからだ。
持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員だけしか在籍していないところがある。すると、その企業の実態(グループ全体)よりも年収が高く出てしまう恐れが強い。そうした「癖」の影響をなるべく排除するために、従業員が20人未満の会社はランキングから除外した。
一方で、企業の中には、一般社員よりも平均年収が低い契約社員を含めている場合がある。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めている企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合があるということを念頭に置いて見てほしい。
ランキングの完全版では、6位以下の全198社を掲載している。平均年収が700万円以上の37社の傾向も業種別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)